しゃぶしゃぶ温野菜のブラックバイト裁判について、先日紹介させて頂きました。
裁判の第一回口頭弁論が9月14日に行われており、その内容に関してブラックバイトユニオンより、以下の記事が9月24日に発表されています。
異例の被告側社長の意見陳述
記事によれば、労働裁判では一般的に被告側の社長が来ることはなく、また求めてもいない意見陳述を第一回口頭弁論で行うことも、ほとんどないそうです。
被告側社長自らが申し出た意見陳述で何が言われたのか?要約すると以下のような内容になります。
- 世間を騒がせたことに謝罪
- 原告のAさんに迷惑をかけたと謝罪
- しかしAさんの被害事実は認めておらず、それに関する謝罪はない。
- その後、ユニオンやAさんを非難し始める。(※嫌がらせや脅しと受け取れる内容だったとのこと)
- 裁判官に背を向け、傍聴席のマスコミに呼びかける。
→意見陳述の枠を超えた行為であり、裁判官に制止される。
と言った、何とも「情けない」と言う印象を受ける内容です。
ちなみに傍聴席のマスコミへの呼びかけは一度裁判長に制止されますが、被告側弁護士が「マスコミの皆様と書いてあるが、決してマスコミに呼びかける内容ではなく、裁判に関係する内容だ」と主張。再度の意見陳述が許されたところ、社長が陳述した内容は以下の通りです。
社長はこれ幸いと、堂々とマスコミに語りかけ始めたのです。内容は「ブランドに対する被害が生じる」からと、「しゃぶしゃぶ温野菜」というブランド名を報道しないようにというものです。あたかも、今回の裁判と直接関係のないはずの、「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイズ本部である株式会社レインズインターナショナルをかばおうとしたようでした。
原文まま
その後、裁判官は再び陳述を制止しました。
この裁判を元店長個人の問題にしてはいけない
しゃぶしゃぶ温野菜のブラックバイト裁判では、元店長らに対して
- 殺人未遂
- 暴行罪
- 恐喝罪
- 脅迫罪
で告訴しており、しゃぶしゃぶ温野菜運営会社を提訴*1しています。
Aさんに直接的な危害を加えたのは「元店長ら」ですが、運営会社の管理監督責任も追及するのでしょう。
私の以前の記事では「元店長達の個人的な性質によるもの」で済ませられる問題ではなく、フランチャイズ経営会社の人材教育の不徹底について掘り下げる必要性を訴えました。
今回の裁判で行われたような被告側社長の意見陳述を知れば、さらに「レインズインターナショナル」の管理責任を追及すべきだと強く感じます。
冒頭では謝罪しているものの、マスコミに社名を伏せるような呼びかけを行うなど、本音では少しも反省していないと自ら証明しているようなものです。
目先の不利益にばかり気を取られ、本当の意味でのリスク管理ができていません。レインズインターナショナルは、他にも有名なチェーン店を数多く運営しています(前記事参照)。今回の騒動がそれらにも波及すれば、企業存亡の危機に陥る可能性があります。
そういった危機意識が正常に働いていれば、速やかに事実確認をして、企業内の改善方法の発表も含め、マスコミを通じて世間に謝罪するくらいの対応をするでしょう。ユニオンからの団体交渉を受け入れ、誠心誠意対応していれば、この様な事態にはなりません。
やはり、この企業は内部に大きな問題を抱えていると考えざるを得ません。
今後の裁判等について
社長の「意見陳述」の名を借りたマスコミへの「隠ぺい工作」を知り、私は個人的に不買運動をしようと決意しました。事実関係が明らかになり、被告企業側が相応の対応を決めるまでは「しゃぶしゃぶ温野菜」はもちろんのこと、他の系列店へはいっさい行きません。ここに誓います。
第二回口頭弁論は11月9日(水)13:15から
千葉地裁で行われるそうです。
次回の内容についても、また紹介させて頂きます。
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