SHIINBLOG

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

ブラック労働から自分を守るために 「命を、守る。真夜中の労働ホットライン」と言う取り組みについて

ブラック労働に関する話題は事欠きません。

最近では電通社員の過労自殺や外国人技能実習生の過労死など、ブラック労働の悲惨な実態が明るみになっています。ブラック労働は最悪の場合に死者を出してしまうことは勿論ですが、若者の成長の機会が絶たれ、また人を使い捨てにすることで利益を生むシステムが産業全体の成長をも止めてしまいます。まさに百害あって一利なし。日本の未来はこのままでは文字通り、「ブラック」になっていまします。

 

そして、そのような現状を重く見た弁護士の方々が、遂に立ち上がって下さいました。

その名もブラック企業被害対策弁護団。設立されたのは2013年のようです(※ホームページでは設立年月日は明記されていませんが、ホームページ下部に「Copyright(c) 2013 ブラック企業被害対策弁護団 All Rights Reserved.」とあります。)

 

そのブラック企業被害対策弁護団が、11月4日に実施したのが「命を、守る。真夜中の労働ホットライン」です。(※以下リンク参照)

 

ブラック企業被害対策弁護団

 

案内を見る限り1日限りのものですが、夜9時から翌深夜2時までの5時間で、弁護士が無料で労働相談に応じてくれると言うものでした。ブラック労働に苦しむ人たちが専門家に相談したくても、一般的な受付時間(9:00~17:00)に電話できるはずがありません。その点を考慮しての時間帯なのでしょう。

また日本における法律の専門家としての最高峰の地位にある弁護士の方々が、無料で相談に応じてくれると言うのは、本当に有難いことだと思います。

日本人はどうしても、「金銭報酬を求めること」に対して嫌悪感を示す民族ですが、私はプロフェッショナルが、その「プロの仕事」に応じた報酬を要求することは、世の中を正しく機能させるためにも必要だと思っています。

それこそブラック労働は、労働に対する正当な対価を支払っていないことが1つの問題です。そのブラック労働に苦しむ人たちが弁護士に相談するのに、「お金をとるんですか?」と言えますか?弁護士だって人間です。霞を食べて生きている訳ではありません。しかも彼らは「最高レベルのプロ」です。その立場に着くために多大な努力をしていますし、継続的な研鑽も怠らず、またその仕事は社会へ大きな影響をもたらします。彼らのプロの仕事に対して、正当な報酬を支払うのは当然のことです。

その様な弁護士の方々が、今回の「ホットライン」を企画したのは、それだけ現状の日本のブラックな労働環境に大きな危機感を持っているからだと思います。

 

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この「ホットライン」は、ブラック労働に苦しむ方々を第一に考え、電話しやすい「夜間」の時間帯に設定しています。これはすなわち、弁護士の方々が普段は「自分の生活」の時間にあてている時間帯です。私はまず、そこに心より敬意を表したいと思います。

また「無料」と言うのも非常に大きいと思います。弁護士の方々は普段、「高レベルの法律に関する知識と経験」を使って、収入を得ています。「法の知識」は弁護士の方々にとっては、重要で唯一無二の「武器」です。おいそれと安売りできるものではありません。しかしブラック労働に苦しむ方々に限っては、期間限定で「無料」で、その叡智で手助けしてくれるのです。こんなに素晴らしいことはありません。

 

おそらく、沢山の人達が電話したことでしょう。

ただ期間限定でしたので、知らなかった人達もいるでしょうし、知ってても回線が混んでつながらなかった人もいるかも知れません。以下リンクでは、通常の相談窓口が紹介されています。

 

(ブラック労働被害対策弁護団:相談窓口の紹介)

http://black-taisaku-bengodan.jp/%E7%9B%B8%E8%AB%87%E7%AA%93%E5%8F%A3%E3%81%AE%E7%B4%B9%E4%BB%8B/

 

そして11月4日と同様の「ホットライン」は、おそらく、今後も不定期で実施されるのではないかと思います(※あくまで私個人の勝手な見解です)。

 

電通過労自殺の件は、まだまだ世の中に波紋を生み続けています。

政府も「働き方改革」を訴えています。

一方、一部では、安倍内閣の「働き方改革」は一種のパフォーマンスで、実は経済界に有利な「改悪」をするのでは?と言う懸念も持たれています(※脱時間給や裁量労働制の拡大など)。その懸念から、電通関連で生じた世論を「最後のチャンス」と言う有識者の方々もいます。

この様な時流の中実施された「命を、守る。真夜中の労働ホットライン」は、この世論を一過性のものにしてはならないと言う、弁護団の方々の強い意志を感じることもできます。

 

私も「自分に出来ることを!」と言う気持ちで、キャンペーン期間が終わってしまったにも関わらず、こうして記事にさせて頂きました。

 

もう2度と、「過労死」で命を落とす人が出ない日本をつくるために、みんなで少しずつで良いので、自分にできることを実施して頂きたいと切に願います。

 

 

よろしければ、こちらもお読みください。

 

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