SHIINBLOG

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仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

国や自治体のゴリ押しがブラック労働を引き起こす? 政治と役人と国民のブラック・スパイラル

非常に痛ましい事案に対して「労災申請が認められた」という記事です。

headlines.yahoo.co.jp

 

管理職扱いで残業代ゼロの末、亡くなってしまう

亡くなってしまった男性は、まさに私と同年代です。

心より御冥福をお祈りするとともに、御遺族ならびに関係者の皆様にお見舞いを申し上げます。

東京都内の建設コンサルティング会社で働いていた男性(当時42歳)が、業務中にくも膜下出血で倒れ、その5日後に死亡したことについて、遺族の代理人弁護士が8月3日、東京・霞が関厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、労災申請が認められたことを報告した。  原文まま

睡眠不足により脳卒中のリスクが高まると言われています。

実際に私の友人の知り合いで、仕事による寝不足で脳出血を起こし倒れた人がいますし、私自身も激務による寝不足で「謎の頭痛」により生命の危機を感じた事があります。

この記事を読むと、労災認定された男性が「名ばかり管理職」であったことも気になります。

そして、この様な事例は「氷山の一角」である可能性が高いのです。

今回は遺族が訴えたので明るみになっていますが、実際には、遺族側が『事を荒立てたくない』と言って、何も訴えないケースもあります。

この男性が所属していた会社について「建設コンサルティング会社」と紹介されていますが、実際にどのような会社なのでしょうか?

世の中には「建設コンサルタント」と言う業界があり、主に公共事業の土木建設業に関わるコンサルティング(調査・設計)を実施する業界です。

そして実は、この業界は「業界そのもの」がブラックと言っても過言ではないほどの、とんでもない業界なのです。

 

役所がブラックすぎる?

この業界は、基本的に「国の各省庁」や「都道府県、市町村」の自治体を顧客に持ちます。いわゆる公共事業を請け負う業態です。

実は、公共事業に関わると良く分かるのですが、日本って、お役所さんが率先してブラックなんですよね。

最近ではさすがに少なくなったらしいですが、金曜の夕方に電話が来て「月曜の朝までに資料を出せ」と言う指示を民間に出したり・・・。ちょっとした資料ならまだしも、普通にやったら1週間はかかりそうなヘビーな要求を、そのタイミングで言ってくる。

そんな指示されたら「金~日と連日徹夜するしかない」と言う状況になります。

しかも、その分の追加料金は「金が無い」と払ってくれなかったりする。

それと、例えば最近では「補正予算」と騒がれていますが、その補正予算を消化するのに「無理強いな公共事業」が発注されてしまいます。

平成28年度も、もう4か月が過ぎました。

これから予算が計上されても、正式に発注されて仕事が始まるのは9~10月でしょう。

しかし「本来なら約1年で実施する仕事を、9~10月から発注したくせに、納期は年度内(3月末)に設定」で発注される例もあります。

また通常業務も含めて、年度末に納期が集中します。単年度予算の中で公共事業が発注されるため、実情にそぐわない事が多々ありますが、見過ごされているのが現状です。

上記の記事は、まさに、それが原因の1つだ!と訴えている訳です。

 

公共事業の入札システムに改善の余地がある?

良く思うのですが、資本主義の自由経済システムが成り立つのって「不特定多数の顧客の存在」があってこそだと思うのですよね。

例えば、「ビール」。今や、深い味わいを楽しめる「プレミアムビール」から、安い値段でビール気分を味わえる「第三のビール」など、多種多様な商品が並んでいます。

それに対し、消費者は

「高くても美味しいビールを飲みたい人」

「あまり美味しくなくてもビール気分を味わえるなら、安い方が良い人」

を両極端にして、色々な取捨選択をしています。

なので、自由競争が成り立ちます

一方、公共事業はどうでしょうか?

お客さんは「特定少数」のお役所さんです。

しかも公共事業って、買う側が「お金を決めている」っていう、変な業界なのです。

特定少数のお客様方は、みな共通に「安くて良いものをくれ」とワガママを言ってきます(笑)(※実際にそう言っている訳ではなく、態度や言葉のニュアンスがそんな感じ)

公共事業はなかなか難易度が高く、案件によって対応が異なるので、いわば「オーダーメイド」的な仕事です。

ですが「安くて良いものを、早くつくる」ことを求められます。もちろん、企業として「安くて良いものを早くつくる」努力は必要ですが、問題なのは「お客さんが特定少数なので本来の意味での自由競争になりにくい」と言うことなのです。

例えば「世のビール党」が団結して、発泡酒の値段でビールを売れ。でないと一切買わないぞ」とビール会社を脅すようなものです。

こんな状態なので、必然的に、ブラックな労働が発生しやすい職場ではあります。

 

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でも結局は会社が悪い

本当に、そう思います。

確かに、国や自治体の工期設定や金額設定に問題があり、苦しいのは分かります。

でも結局は、経営の工夫もせずに、「担当者」に全ての責任を押し付けている会社が悪いのです。

一方で社員も理系卒の「マジメな人物」が多いので、案外と率先してブラック労働をするんですよね。大学の研究室の雰囲気(夜中まで入り浸り)を、そのまま社会人になっても引きずっているような雰囲気です。

ですので社員の側も「ブラック労働の入り口」に躊躇せずに足を踏み入れてしまう傾向にあります。そして責任感が強いので、ハードな仕事でもやり遂げようとしてしまいます。頑張り続けて身体が壊れそうになっても、逃げずに立ち向かってしまうのです。

かつての私も、そうでした。

この様に建設コンサルタント業界は「社員個人の頑張りに依存する」という、非常に体質の古い業界であり、サービス残業当たり前のブラック業界です。

資本主義経済の中で「価格競争」は決して悪い事ではありませんが、そのシワ寄せが、労働者の1人あたりの仕事量の増加や、ひいては人件費削減というかたちで現れたら意味がありません。

それは労働者に悪影響をもたらすばかりではなく、企業にとっても、それ以上の成長の芽がなくなると言う点で良くありません。

企業が実施すべきは、組織力等を使った業務の効率化です。それによって社員の負担を増すことなく多くの仕事をこなし、結果として「価格を下げてもムリなく利益を確保できる」という企業に成長できるのです。

理想論かもしれませんが、始めから諦めていては実現の可能性はゼロです理想を現実化するために試行錯誤することが重要です。

 

今回のニュースが良いきっかけを生んでくれることを、切に願います。

 

まとめ

そして、役所の場合は職員の働き方も相当ブラックです。おそらく役人が建設コンサル会社に無茶ぶりをする背景には、その役人さんも上司から無茶ぶりされていると言う実態があります。

そしてその背後には「議員」がいたりします。

そして、その議員は「地元住民からの抗議」に応えるために、役人に圧力をかけていたりします。

まさにここにも「ブラック・スパイラル」が存在しています。

このスパイラルをどこかで断ち切るとすれば、やはり「議員」でしょうか。

政治家の皆さんには、中・長期的な視野のもと、計画的で実効性のある政策を進めていってもらいたいものです

 

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