SHIINBLOG

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

不運で済むのか??? 【島根県】落石事故について

災害

島根県の県道で落石が発生し、走行していた軽乗用車に衝突するという痛ましい事故が発生しました。これにより尊い命を落とされた大学生の女性には本当に心から御冥福をお祈り申し上げます。

 

私も斜面防災関係の仕事に携わっている関係者として、今回の事故は本当に胸が痛みます。

わずか0.1秒・・・・。落石、土石流、雪崩・・・。道路を物体が横切る(流下する)ことによる災害は、車が通る時間が0.1秒ずれただけで、人命が失われることはなかったかも知れません。

とある県の雪崩災害でも同様なことがありました。1人の人間の貴重な命が失われたことにより、その後、その道路沿いに雪崩防止柵が設置されることになりました。

 

でも、それでは遅いんです!!!

 

今回の事故について島根県は以下のように話しています。

 

「落石危険個所としては認識していた」「今回の現場は危険性が低いので対策していなかった」「経過観察が甘かった。これについては反省する。」

以下記事より

島根落石、現場に防止網なし「危険性低い」と県 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

これはまぁ、その通りだと思います。

ただ一般市民の方々に知って頂きたいのは、このような「危険個所」は全国に「山ほどある」ということ。

そして「対策している個所」と「対策していない箇所」はどのように区分けされているのでしょうか?

 

当然、国や県にとって、単年度で全区域に対策する予算はありません。ですので役人は「優先順位」を設定します。

しかし、ここで忘れてはならないのが、あくまで「予算の関係があるので公共側は『優先順位』を設定する」のであって、本来は「可能な限り早期に対策を講じるのが望ましい」のが大半なのです。つまり、例えば単年度に10億も予算をつけられる訳がない。毎年2億しか予算がつかないなら、どこから先に対策するか?という話になり、おのずと優先順位をつける必要が生じ、その高い順から対策されいくというのが現実です。

 

でも、ここで油断できないのです^^;

 

世の中は刻一刻と変化していきます。他にお金がかかる何らかの事象が発生したり、役所の担当者が変われば考え方も変わります。知事が変わって県行政の大枠が変わることだってある。そんな中、最初は「対象の全域を対策する中の優先順位の高い個所から」だったのが、数年経過すると、「優先順位が低かった箇所は対策しなくていいんでしょ?今まで大丈夫だったし・・・。」という論調になります。金を使いたくないというバイアスがかかるのでしょう。

 

あくまで私が今まで見聞きした経験から推察する個人的意見ですが、今回の島根県の落石事故の原因は、これではなかろうかと思います。県土木部部長の「経過観察が甘かった」が、まさにそれを表していると思います。ハッキリ言って人災だと言っても過言ではない。(誰かのうっかりミスとか単純な問題ではなく日本全体の行政的な問題が原因と言う意味での「人災」だと思っています)

でも、じゃ誰が責任取るの?って問題ではなく、行政のシステムそのものを変えないと、同様の事態は今後、日本国内で永遠に繰り返されると思います。

 

そして、上記のような状況になってしまってる、もう1つの原因として私が感じているのが、これら防災予算についても、結局「財務省」が財布のヒモを握っているという事。県で言えば「出納係」のようです。

現場に近い職員は必要性を感じて予算を要求しても、彼らは「金がない」の一点張りで予算を工面してくれないことが少なからずあるようです。そんな彼らに「必要性」をいくら説いても「いつ起こるの?明日?来年?」みたいな問答になる事もあるとか。(※あくまで聞いた話です)

 

・・・これでは話にならない。

 

もちろん、現場に携わる人間が、危険度を詳細に見極めることも重要です。しかし相手は自然現象。不測の事態も多数ある。今回の島根県のような「強風が原因で木の根元が緩んで・・・」なんて現象もあるのだ。

ただ1つ言いたいのは、現場は

①「急斜面」で

②「直径1m以上の岩塊がある斜面」であり、

 

「何かがあれば落石が発生する」箇所だったという事。

このような箇所に、『人間ごとき』が「優先順位」を決められるのだろうか??

 

もちろん、税金を基にした予算は貴重だし、取捨選択して活用しなければならない。しかし少なくとも予算の「財布のヒモ」を握っている立場の役人も、現場を知る役人と同レベルで「現場の危険度」を認識してくれなければ、いつまで経っても同じような悲劇が繰り返されると断言できる。

 

財布のヒモを握っている役人は様々な予算の執行に関わる非常に重大な責務を負っている。したがって、あらゆる専門分野に精通する必要がある、非常に重要なポストである。このことを肝に命じて職務を全うして頂きたいと切に願う。

 

以上のように、日本では自然災害が多いです。

公共の対策も沢山講じられていますが、実行部隊と予算執行部隊の意思の疎通が悪くて対策が進まない面も多々あります。

誰が悪いとは言えません。やはり、行政システム、しいては日本全体のシステム、日本人全体の考え方を変える必要があるのだと思います。