SHIINBLOG

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仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

「働かないアリ」の話

 2月下旬にニュースになった「働かないアリ」についての話題です。

 

 以前から労働問題を論じる時に何かと話題にあげられていた「働かないアリ」の話。

 何年か前は「アリの集団の中には一定数、働かない個体が存在するがコロニーは成り立っている」といったような、「何の役に立ってるかは分からないけど、働かない個体も重要」と、ある意味「働かない社員を擁護する」のに用いられていた感じの話でした。

 

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 私、この話メチャクチャ嫌いだったんですよね

 会社で同年代が集まった時にも、とある「怠け者で有名な社員」の話題になった時に、先輩が「アリの話」をしたことがあった。口には出しませんでしたが、心の中で「だから何?だからと言って、人間の企業活動の中で、働かない社員がいて良い理由にはならないだろう?」と憤ったのを覚えている。

 まぁ、アリを引き合いに出さずとも、「仕事ができない社員だって役に立ってるんだ!」と言った論調は良くあり、私は批判的に見ているが、またそれについては別の機会に・・・。

 

 さて、最近話題になった最新の「働かないアリ」の研究結果(以下リンク)について思う事。

 

www.huffingtonpost.jp

 

 今までのモヤモヤがスッキリ晴れたような気持ちです♪

 なるほど!!! 「労働に対する『閾値』が違う」のですね。

閾値』は難しい言葉です。

分かりやすく言えば、アリの1匹1匹によって、労働に対する「ハードルの高さ」が違うということ。その違いがあるおかげで、疲れて働けなくなるタイミングも個体差が生じるので「コロニー全体の機能不全が防止される」ということなのです。何とも素晴らしい危機管理システムです。これがワザとではなく、自然にそうなったんだから、本当、進化って面白い!!

 つまり、自然状態では、アリの労働に対する閾値は全くランダムに発生していて、長い進化の歴史の中で、「多数が『閾値が小さい個体』の中で、少数の『閾値が大きい個体』が存在する」というバランスが、コロニー単体で競争力が強く(群れとして生き残る)、「その割合で生まれる遺伝子」が残ったのでしょう。

 

 

 ここで私は、青春時代のとあるエピソードを思い出した。

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 男女数人でバーベキューをやった夏のある日。いつもは地味な友人が、いつになく張りきって火を起こしている。女子が「わ~、○○君、凄いね~」とか言っている(笑)

 いや、俺だって火は起こせるし、何ならコイツより上手だし、やる気だってあった。ただ今日は、彼の方が「閾値」が低かったのだ。そう、彼はあのコに良い格好したかったのね・・・。って話。

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 つまり、そういう事なのである。

 記事では「怠け者のアリ」と表現していたが、彼は閾値が高いだけ」であって、決して怠け者ではない。だって「閾値の低いアリ」が飛ばしすぎてヘバッたところで、彼はキチンと働き始めたのだから。

 

ここで「怠け者」と安易に表現してしまうのも、やはり「日本人のブラックな労働観」が透けて見えたように感じた。

 

この研究結果について、「怠け者も必要」と言う意味と捉えたら、あんまりにも安易だと思う。

まさにワークシェアリングであり、多様な働き方が重要であることを、「自然界の進化の結果」として示したものだと思う。

 

私は決して怠け者ではないが(できれば怠けたいが・・)、閾値は高い方である。そして、ぶっ倒れた同僚を見て思う事だろう。

「あ~あ、だから言ったのにな~。急ぐ訳じゃないんだから、そんなに根詰めて働くなって」と。そして粛々と、彼の仕事をカバーするのだ。

 

 

 日本人は、今回の「働かないアリの研究結果」を真摯に受け止め、「多様な働き方」について真剣に検討を進め、早急に実現すべきである!

 

 でないと、滅んじゃうよ(笑)