SHIINBLOG

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

残業問題

これまでも話してきたように、日本では残業が多い(労働時間が長い)にも関わらず、相応の稼ぎが得られていないようである。

世の中の意見(周囲の意見、ネット等から得られる情報)を見聞きすると、残業を肯定する意見も見られるが、私は「完全否定派」である。

もちろん、やむを得ない事情で発生する残業はある。しかし、「やらないに越したことは無い」のが残業だと、私は思う。

 

残業は、労働者の健康面のみならず、収益性や経済的な面を考えても無用の長物だ。その中で、今回は「健康問題」に関する話題である。

 

 

www.huffingtonpost.jp

 

厚生労働省の調査結果に基づいた記事です。

これによれば、

 

1か月あたりの残業時間が「80時間超〜100時間以下」に及ぶ企業が10.8%で、「100時間超」が11.9%にのぼった。

私も1か月で100時間を超える残業を経験したことがある。正確には2/3か月でその時間に達したので、体感としてはもっと酷かったろう。

正直、直観的に命の危険を感じていた。以前も書いたが、それまでに経験したことのないような頭痛を経験したし、繁忙期が過ぎた後、一時的な不眠症にも陥った。とにかく休息しようと、土日と絡めて3連休をとった。

過重労働からうつ病に至る1つのステップとして「不眠」がある。当時、そのことを知っていた私は、とにかく寝ようと酒を煽ったが、休み前の晩と3連休のうちの初めの1日は、本当に眠れなかった。2日目からようやく眠れるようになり、泥のように眠ったおかげで今の私がいると言っても過言ではない。

 

こういった健康被害は、平均的に見て月80時間以上の残業時間で発症する可能性が高いということで、労災認定の基準となる「過労死ライン」と呼ばれているようだ。

 

残業の原因は?

では、こんなにも多くの人達を苦しめる残業の原因は何なのか?

この記事によれば、

 

①顧客(消費者)からの不規則な要望に対応する必要があるため

②業務量が多いため

③仕事の繁閑の差が大きいため

 

だそうだ。

私が感じるに、これらはいずれも、「マネジメント」によって解決できる問題なのではないかと考えている。

私は日本人の残業(サービス残業)問題は、それを「容認してしまっている労働者」と、「それに甘えている経営者(管理職)」という構図だと思っている。あくまでザックリとした文章で表現すればだが・・・。

 

 

 

対応策は?

そして、この記事で紹介されている「対応策」は以下の通り

 

①タイマー会議

→タイマーで時間をセットして、出席者の発言を2分以内に抑えて、限られた時間で仕事を終わらせる。(原文まま)

 

私はそもそも、会議自体が無駄なものが多いのではないか?と考えているが・・・。

またそもそも、出席者の発言を2分に抑えることで、本当に有意義な会議となるのか?という疑問もある。

それで成り立つ程度の会議なら、最初からやらなくて良いんじゃないか?と思うが、みなさんはどう思うだろう?

 

②ノー残業デー

→ノー残業デーを決め、もし残業を申し出た人がいたら、マントを着るよう義務付ける。マントには何時まで残業するかが書いてあり、周囲の視線を浴びる羽目になる。(原文まま)

 

これは、大問題な考え方。

そもそも、「残業を申し出る」という考え方がおかしい。なぜ、従業員の方から「申し出る」のか?私が働いている会社もそういう思想であるが、

本来は「上司から部下に残業を指示することで、はじめて残業が発生する」のである。これ、大切です。

言うまでもなく、残業は割増賃金が発生する。したがって、経営者(管理者)は可能な限り残業が発生しないように、部下の勤務状況をコントロールしなければならない。

その中で発生する諸問題を解決していき、それによって生産性を向上させ、会社の成長収益向上に結び付けていくのが「真の経営」だ。

日本人には、決定的にこの思想が欠けている。私がこれまでに見てきた上司(管理職)にも、このような考えの人間は1人もいなかった。

 

それと、百歩譲って従業員から「残業を申し出る」のを良しとして、なぜ、マントをつけさせ、「晒し者」にされなければならないのか?

残業が発生するのは、当人の問題なのか?(※本来は会社の問題)

さらに元になる記事をザッと読んでみると、「ダラダラ残業を防ぐ」意味合いがあるようだが、元となる「なぜ残業が発生するのか?」を考えたら、必ずしも従業員側に非はないハズである。

やはり、根本の思想がおかしい。

 

www.nhk.or.jp

 

残業問題は日本の労働生産性を向上させるためにも重要な課題であり、

「真に豊かな国」をつくる上でも重要である。

 

日本人の心の奥底に流れる「マジメさ」とか、稼ぐことを忌み嫌う「ブラックな労働観」も根が深いが、マネジメント能力に乏しい経営者や管理職の存在も問題だ。

 

これから少しずつ、残業問題の原因と対策について私なりの意見を書いていきたいと思っているが、まだまだ、戦いは長く険しいと思う今日この頃です。