SHIINBLOG

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

有給休暇制度を廃止すると労働者の心の負担が減るって本当?part2

 

先日は「有給休暇制度を廃止する方が良いのでは?という珍説」に関する考察について書きました。 

geogeokun.hatenablog.com

 この記事では

①「仕事をする」のではなく「会社へ行く」が目的になっていないか?

②有給休暇制度そのものに問題がある訳でなく、運用する側の人間に問題がある。

③「自分が休めないのだから同僚も休むな」と言う足の引っ張り合いの精神構造になっていないか?

という問題を指摘させて頂きました。そして上記の問題を解決するには、管理職が変わる必要がある。と結論付けました。

では、管理職は具体的にどうすれば良いのか?について以下に書いていきたいと思います。 

 

有給休暇を取得しにくい職場の背景とは?

職場によって状況は異なるとは思いますが、少なくとも私が今まで経験した職場では、社員ごとに縦割りで仕事が割り振られていました。ある案件を1くくりにし、そこに担当者をあてがうという方法です。

これによって管理職は部下の大まかな仕事内容は把握できますが、部下同士(社員同士)はお互いの仕事内容を把握できません

また管理職は「概ねの状況」は把握していますが、細かいところまでは分かっていないので、部下が風邪をひいて休んでも代わりはできません。

他の社員はさらに分かっていないので、代わりなんてできるはずがありません。

これによって、お互いにカバーしあうことができず、個人個人が常に忙しい状態になってしまいます。

また「案件ごと」という大きな単位で仕事を任せているため、仕事を進める上での1つ1つの作業については、その個人しか把握できていません。

ですので、仕事の進め方が個人によってまちまちになってしまい、例えば「本人は良かれと思ってやっていることが、実は無駄だった」といった不具合が放置されることになります。

そのため「本人に問題があるから忙しい」のか、それとも「単純に仕事量が多いから忙しい」のか、逆に「仕事量が多いのに要領よくやっている」のかが区別できません

その様な背景があるため、管理職は部下に対して「いかに長時間働いているか。いかに休まずに会社に来ているか。」といった基準で評価することになってしまいます。

管理職がそういう姿勢ですから、社員も自ずと「長時間働く。休まず出社する。」といった行動様式となり、同調圧力が生まれます。

 

f:id:geogeokun:20160606172624j:plain

 

ステップ1:部署内の仕事を見えるようにする 

以上の様な背景を踏まえ、仕事の割り振り方を考え直してみましょう。

問題を分かり易くするために、以下の人員構成と仕事内容でシミュレートしてみます。

〇人員構成:中堅社員3名(Aさん、Bさん、Cさん)、若手社員2名(Dさん、Eさん)

〇仕事内容:案件①~⑧の計8案件

〇これまでの仕事の割り振り:中堅社員が2案件ずつ、若手社員が1案件ずつ担当

 

①複数人員で担当する

・若手社員には担当案件を割り振らず、全ての案件のサポート役とする。

・案件ごとに主担当と副担当を配置し、どちらも中堅社員から選定する。

・管理職は全ての案件の副担当になる。

※例:案件①(主:Aさん、副:Bさん&管理職、サポート:Dさん、Eさん)

   案件②(主:Bさん、副:Cさん&管理職、サポート:Dさん、Eさん)

   案件③(主:Cさん、副:Aさん&管理職、サポート:Dさん、Eさん) 

②仕事を集中させない

・案件の割り振りは量と難易度を勘案して可能な限り平準化する。どうしても偏る場合は、よりベテラン社員が難しい案件の主担当となる。

・Dさん、Eさんへの仕事の指示は個別に行わない。管理職を通して行うものとし、部署で現在最優先の案件に関する仕事を指示する。

③情報の共有化

・複数人員で対応するため、各案件の情報共有化が促進される。

・最低でも月1回は、全案件について部署全員で打合せし、共通意識を醸成する。

  

ステップ2:スケジュールを立てる

各案件を個人で担当している時は、自分なりにスケジュールを把握していれば十分でした。しかし一方で、担当案件の仕事が多ければ休めませんし、残業も増えます。

もちろん顧客から問い合わせがあっても対応できるのは自分だけです。とても有給なんて取得できません。

しかし担当を複数人員とすることで、誰かが代わりを務めることが可能となります。

また副担当やサポート役となることで、部署の社員全員が、全案件のザックリとしたスケジュールの把握が必要になります

そこで、年間スケジュール(大まか)、月間スケジュール(やや詳細に)、週刊スケジュール(次週の詳細スケジュール)と言った具合にスケジュールを立てます

そうすることで大まかですが来月あるいは半年後の見通しが立てられ、精神的にも余裕を持って仕事に取り組むことができるでしょう。

 

f:id:geogeokun:20160606172657j:plain

 

ステップ3:仕事のスケジュールをもとにプライベートの予定を立てる

仕事の年間の見通しが立てば、自分がどの時点で忙しいか、もしくは忙しくないかが見えてきます。

そこで、まずは自分のプライベートの予定を立ててみましょう。連休に絡めて有給をとって旅行へ行くのも良し。2週間に1回半日ずつ休んで今まで気になってた虫歯の治療に行っても良い。

ただし注意点として、部署内で有給を取る人が2人以上重ならないようにすること。そのために部署社員全員で打合せし、なるべく希望の日に休めるよう調整します。できればローテーションにして平等の日数の有給取得ができるようにします

案件の主担当が休んでいても、副担当がいるので大丈夫。サポート役のDさんが休んでも、もう1人のEさんがいるので大丈夫。何より、サポート役は管理職や中堅社員でもカバーできます。

 

 

最後に

以上については、もう既に実施されているところもあるでしょう。

人によっては「今さらそんなこと言ってるの?」と思うかも知れません。

しかし少なくとも私が所属する部署ではそうではなく、私がこれから管理職として、まさに上記の様な職場にしようと目指しています。

これにより、「自分が休めないのだから、あの人に休まれたくない」ではなく、

「同僚に休んでもらうために、自分たちでカバーしましょう。」

「この前は自分が休ませてもらったから、今度はカバーする番だ。」

といった具合に、お互いに助け合う職場になるのではないでしょうか?

 

 日本中の職場がこの様な職場になり、1人1人が真に豊かな人生を送れると良いのにな~と、心から思います。