SHIINBLOG

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仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

【清水富美加の月給5万円】 「芸能界では当たり前」の以前に「法律」を考えよう!

世の中 社会・労働問題

女優の清水富美加さんの電撃引退が大きな話題となっている。

 

www.huffingtonpost.jp

 

様々な報道が交錯する中、「東京喰種」がきっかけだったと言う論説が主流になってきているように感じる。

正直、私にとって今一番に続きが楽しみな漫画は「東京喰種」である。

報道では「人肉を食べる」と言うグロテスクな部分がクローズアップされているが、「東京喰種」と言うマンガはそれが主テーマではない。

むしろ、「喰うVS喰われる」と言う生物間における、謂わば「当たり前」の行動に対して、「どちらが悪いと言う訳ではない」という観点に立ち、ともすれば「人間社会こそが、他者を奪うことで成り立ってる偽善社会ではないか?」と言うテーマを感じる、非常に素晴らしい作品だと私は思う。

ヤングジャンプで長期連載されている時点で十分に「社会に認知されている」と考えることもできるが、まだまだ「東京喰種」を知る人は多くもない。

その様な中で、この様な形で世に広まっていることには非常に残念に思う。

 

また女優の清水富美加さんに対しても、私は「明るい笑顔が素敵な女優さん」として、かなりの好感を持っていた。でも正直、東京喰種の「トーカちゃん」には合わないと思っていたし、ネットでも原作ファンによる「ありえない」と言う批判を沢山目にしていた。

しかし、最近のヤングジャンプの「トーカ役」のグラビアの表情を見たら、印象が180度変わった。漫画のイメージに非常に合っていて、「役作りが上手」な女優さんなんだと感心した。ネットでも手の平を返したように「良いじゃん!」と言う意見が多数になり、そのことだけでも、「女優:清水富美加」としての才能を感じる出来事だった。

決して派手とは言えないけども、可愛らしい顔立ちと爽やかなイメージ。しかも、それを覆す役(人を喰うグール)を、「表情で納得させる」と言う力量。非常に前途有望な女優さんだったと思う。その様な素晴らしい人材が失われてしまったと言う、残念な気持ちでいっぱいだ。もちろん、私は詳しくは知らないので、これ以上は何も言えないが・・・。

 

と、前段が長くなってしまった・・・。私としては、それなりに思い入れのある「東京喰種」と「清水富美加さん」の絡みだからだけど、今回一番に言いたいことは、別の観点のことであり、それについて以下にまとめてみたい。

 

月給5万は普通じゃない

上記の流れで考えれば一切関係ないが、清水富美加さんの引退には、どうも「幸福の科学」が絡んでおり、その幸福の科学が発した「清水富美加さんは以前は月給5万円だった」と言ったことに対し、芸能界の一部が反発したようだ。

ちなみに、私自身は当然、清水さんと幸福の科学の関係は知らないし、その事にはここでは一切言及するつもりはない。

ただ単純に、「月給5万円だった」に対し、芸能関係者によってなされた以下の発言について、ここで「問題点」として取り上げたい。

 

「芸能界だから」は前提ではない!

今回、私が「非常に問題」と感じたのが、以下の坂上忍さんの発言だ。

 

headlines.yahoo.co.jp

始めにお断りしたいが、最近も坂上忍さんの発言に対して記事にしたけども、私は決して彼を嫌っている訳ではない(本当に、笑)。彼は謂わば、現在は「歯に衣着せぬ発言」を売りにしているだけに、こう言うこと(誰かに反論される)は良くあると思う。

実際、以下に言うように、彼の言動全てを批判するわけではない。

 

私が今回問題視したのは、彼(と、ラサール石井)の以下の発言だ。

 

幸福の科学では仮面ライダーの仕事をしていた2011年ごろは月給5万円だったなどと主張。所属事務所は売れてからは仕事に見合う高額な報酬を支払ったとしたが、坂上は「両者の会見を見ましたが、幸福の科学さんは芸能界ではプロではないから」と自らの経験を踏まえたギャラ事情を告白。

 「仮面ライダーの仕事は出たら人気になるが、ギャラなんて微々たるもの」と5万円の月給を正当とし、「名前のある方が仮面ライダーに出られても、あの枠ですからね。そのかわり、まとめ撮りして拘束期間をぎゅっと縮めて配慮の中で成立している」と説明した。

 ゲスト出演したラサール石井も「大手のプロダクションでも月給5万円ぐらい」と若手の懐事情を明かすと、坂上も「僕らの時もそうだった」とうなずいた。

原文まま

 

それなりに言葉を選んでいるのは察することができるし、記事そのものが本人の真意を十分に汲み取れているかは疑問に感じる文面だが、一応、坂上氏の発言だと言う前提で、以下に論旨を進めたい。

 

「月給5万円」に対し「芸能界のプロ」は関係ない

かなりザックリと言えば、坂上氏は「月給5万円」に対し、「芸能界では当たり前。何故なら、自分もそうだったから(ラサール氏も同様)。」と言う論調だ。

これに対しては、「以前もそうだから、今も当たり前だ」と言う、日本では良く言われるけども、実は全く何も根拠がなく、実は非常に愚かな論拠だと言わざるを得ない。

 

みなさんも良く考えて欲しい。

人間社会の歴史を振り返った場合、以前は「人権」等の意識は皆無に等しかった。しかし、やがて文明が発達するに従い、人権に対する思想も発展し、また「労働」と言う観点が生まれて、またさらに人権に対する意識も進んでいる。

つまり、「自分が若い頃からそうだった」は、決して正当な理由にはならない。

これは何も、坂上氏に限った話ではなく、現代日本の「年長者」の普通の発想であったりするので、皆さん、くれぐれも御注意して頂きたい。(※ともすると、自分もそうだったりする→注意!!)

 

そしてさらに、もう一考。

坂上氏は「月給5万円」に対して「自分が若い頃から普通だった」と言う。そして、そのことに対して批判的な意見に対し、「幸福の科学さんは、芸能界ではプロではないから」と発言している。

これは非常に問題な発言だ。

坂上氏にとって「良く知りもしないくせに」と言う気持ちは分からなくもないが、1人の大人として、私は言いたい。

「労働」と言う観点で見た場合、「業界を知っているかどうか」以前の問題であり「法律に準拠しているか?」が、まず大きな問題だと言うことだ。

 

まぁそもそも、芸能界からは「武勇伝」のように、良く聞かされるエピソードだ。若くて売れない頃は「安月給が当たり前」であり、アルバイトをして苦労して、その上で「今がある」みたいな。(笑)

日本人お決まりの「苦労信仰」が、芸能人は、さらに「伝説」のようにもてはやされる。

 

ただし、やっぱりもっと、みんな考えて欲しい。

芸能界の給与形態や雇用形態がどうかは知らないが、仮に「労働者」と見なせる場合であるならば、行政で定められる「最低賃金」に見合った給与でなければ、「月給5万」は、決して正当とは言えないのではないだろうか??

と言うか、最低賃金に満たなければ、「立派な法律違反」になり得る。

 

果たして、そこを熟慮した上で、坂上氏は発言しているのか?

と大いに疑問を感じる。

仮にも、その業界のベテランが「自分がそうだったから、芸能界では普通」などと言ってはならない。と、私は強く思う。

 

最低賃金と月給から逆算したら、労働時間はどうなるか?

ちなみに、現状日本の最低賃金は、厚生労働省HPより、宮崎県・沖縄県の「714円」のようだ。(※見間違いがあったらスミマセン)

 

www.mhlw.go.jp

と考えれば、5万円を714円で割ってみると、どうなるか?

 

ズバリ、「70.028時間」だ。

まだ今のように有名ではなかった頃の清水さんの月給5万円に対し、最低賃金から割り出した正当な労働時間は「1ヶ月あたり約70時間」となる。

労働基準法で定められる1日あたりの労働時間は8時間/1日であることを考慮すれば、1ヶ月で約70時間とは、一般の2週間(月~金の5日で週40時間、2週間で80時間)にも満たない。

つまり、彼女の労働時間が「1ヶ月あたり2週間(1日8時間)に満たない労働時間(一般の半分以下の労働時間)」であったならば、「月給5万円」は正当であっただろう。

すなわち「月給5万円」が問題ではなく、時給に換算した時に、最低賃金を達していたかどうか?が、「労働基準法」を違反していないか否かの基準であり、「芸能界のプロかどうか?」は、一切、関係ないのだ。

「月給5万円」に対し、あくまで「月当たり労働時間」が問題であり、「自分たちが若い頃と同じ」は1ミリの理由にもならない!!

これに対し、おそらく、芸能人は「個人事業者」だとする意見もあるだろう。

ただし、であれば、なぜ、当人が売れてから「独立」の問題が浮上するケースが多いのか?あくまでタレント個人が「事業主」なら、初めから事務所から独立云々は関係ないはずだ(あくまで斡旋料が取られるだけで済むべき)。

そこに、芸能界の労働に関する「闇」があると、私は思う。ともすると、日本のどの業界よりも、その闇は深いのではないか?と感じずにはいられない。

 

「昔からそうだったから」の日本に喝を入れよう

もっと言えば、「前例に倣う」では、業界の発展はありえないでしょう。

それを突き詰めれば、例えば芸能界は、江戸時代以前の「旅芸人」そのままを踏襲しなければならないし、だったら、坂上忍氏は多数の愛犬と今のような幸せな暮らしは過ごせないでしょうね(苦笑)。

今の若者が、オジサン達と同じを許容すべきなら、そう言うオジサンも、さらに以前(戦前以前)の境遇を受け入れねばならないのではないか?

現代日本では、どうしても「近頃の若い者は・・」と言いがちだが、そういうなら、自分は戦国時代以前のままで生活してるのか?と逆に聞き直してみたい。(※私も十分オッサンだけども、「前例に倣うべき」的な日本人的発想は大嫌い)

 

つまり、「自分の若い頃は当たり前」と言うことを言うならば、「では、どこまで以前の常識を正当とするのか?」と逆に問いただしたくなる。

それに対して「大げさな」と言うなら、「じゃ、どこまでの時代がスタンダードなのか?」と問う。まず間違いなく、そこに明確に答えられる「オジサン」は1人もいないだろう。

そう考えれば、そこを逆に「おかしい」と考えて、後輩の境遇を「自分よりも良くしよう」と活動する方が、よっぽど建設的だと思う。むしろ人間社会とは、そうやって進歩したのではないのか?「自分が若い頃から当たり前」と、後輩の苦境に手を差し伸べない風潮は、良くないと思う。

もちろん若い人間を「甘やかせ」とは言わない。しかし一般的に考えても月給5万円は、最低賃金以下が疑われる水準であり、「その仕事ではギャラを貰えないから、安月給は当たり前」ではなく、「単位時間で換算しても最低賃金を満足しないギャラ設定」の方がおかしいのだ。

つまり、芸能界は「労働基準法すら守れないことを『当たり前』とゴリ押しする古い業界」なのかな?と、私には強く印象付けられた。

確かに、若い頃に売れてなくて薄給でも、売れたら急激に高給取りになれると言う、夢のある職業ではあるべきと思う。

しかし昨今の芸能界は「若い旬のうちに限界まで売り切る」的な雰囲気も感じる。本人が自分の価値を自覚する前に、事務所が彼らを搾取しつくし、旬を過ぎたら用済み。旬のうちに薄給で「夢を追いかけよう」などと巧みに誘い、本人が自分の価値に気付いたところ(=旬が過ぎた)でオサラバ。

芸能界は「個人事業主」として契約しているのかは分からないが、でも、もしそうなら、「売れてから」の事務所とのトラブルは無いように思う。やはり、賃金関係はもちろん、未成年の雇用の問題等、多分に「労働基準法を守っているのか?」と言う疑問は尽きない。

 

終わりに

以上、久しぶりな上に思わず長文になってしまい、かつ、とりとめのない文章になってしまい、申し訳ありません。

私としては、もうそろそろ芸能界も一般社会に歩み寄っては?とか思ったり。

同世代のSMAPの惨状を鑑みても、芸能界ってあまりにも旧態依然としてない?

と単純に思ってしまいます。

その様な背景での、今回の坂上氏の発言は「やはり古いな」と感じずにはいられない。

昨今の日本の「ブラック労働」に関する問題に対して

過敏なアンテナを持っていれば、おそらく発しない意見なんですよね。

少なくとも最低賃金との関係性を考えて発言して欲しかった。

 

別に、幸福の科学が正しいとは言わないけども、そこに対する芸能界の反論も、また法的に正しいの?と物凄~く疑問に感じた次第。

とにかく、「月給5万円は正当」と深く考えずに言ってしまう芸能界に対しては

労働基準法を勉強しましょう!」と言いたい。

業界の常識よりも、法律が優先です!!!

これは、どの業界も同じですからね。

平然と法律を破り続けている土木業界も同じです。