ひどい会社なのに辞められない理由が怖すぎる件について
ブラック企業であっても容易に辞められないのが人間である。その理由は一般的に考えて、辞めても転職できないかも知れないと言う不安が大きいのだろうと想像される。
だが、実際はそういう事情だけでもないようである。もしかしたら、あなたやあなたの知人もそうかも知れない。何故か辞められないブラック企業。何故、そのような事態になるのであろうか?
知り合いでこんな事例があったら要注意?
この記事で示されている「事例」は他人事ではないように感じられる。
とあるブラック企業に勤める友人に対し「辞めた方が良い」と忠告したものの、知人からは、以下のような答えが返ってくる。
確かに大変なんだけどね・・・。やりがいのある仕事ではあるし、どこの会社に行っても状況が変わるとは思えないから。
原文まま
しかし、ほどなくして彼がうつ病にかかり、結局は会社を辞めたことを知る。「だから辞めろと言ったのに!」と思っても後の祭り。
ではいったい、彼は何故ブラック企業を辞めなかったのか?を考えると「心理的免疫システム」に原因があるようなのだ。
心理的免疫システムとは?
ブラック企業なのに辞められないと言う原因をつくっている「心理的免疫システム」については、ハーバード大学のダニエル・ギルバートの著書である「明日の幸せを科学する」(早川書房)で次のように述べられているそうだ。
経験によって十分に不幸せになると、心理的免疫システムはもっと明るい見方を用意するために、事実を料理し、責任を転嫁する。例えば、学生を志願者として、3回電気ショックを受けるという加入儀礼のある課外クラブに勧誘した研究がある。
一部の志願者はかなり強い電気ショックを受けて非常に辛い経験をし(重い儀礼群)、ほかの志願者はもっと軽い電気ショックを受けてわずかに不快な経験をした(軽い儀礼群)。
人は肉体的苦痛が伴うものを嫌うはずだと思うかもしれないが、実際には重い儀礼群のほうがクラブをより好きになった。この志願者たちは大きな苦しみを経験したため、その苦しみの強さが引き金となって防衛システムが作動し、ただちにこの経験について信頼できる明るい見通しを探し始めたからだ。
原文まま
これは、なかなかに「恐ろしい」内容と言えないだろうか?
つまり人間とは、その経験が辛ければ辛いほど、その経験をそのまま受け止めれば精神が不安定になるため、自己防衛のために「楽観視する」ようなのだ。
この記事では「楽観視」の状況について、以下のように分かりやすく解説している。
すなわち、精神的に追い込まれた状態になると、人は心を守るため「過剰なポジティブさ」を身につけるようになるという事象だ。
原文まま
イヤイヤ、恐ろしい。人間というものは、精神的に追い込まれれば追い込まれるほど、自分の心を守るために「過剰なポジティブさ」を持つようになってしまうらしい。
確かに辛い現実をそのまま受け止めて落ち込むより、ある意味現実逃避で楽観視する方が、心身を保てるのは確かだ。
まとめ
つまり、ブラック企業はこれを知ってか知らずか、人間の心理を上手いこと利用していると考えられる。別の記事でも述べているが、本人がモチベーションを高く持って積極的に長時間労働をしてたからと言って、それは良いことではない。
本人が率先して仕事をしていたとしても、その長時間労働は確実に心身を蝕んでいるのだ。だからこそ、例え本人が望んでいるとしても、客観的に見て異常な労働時間であれば、確実に是正しなければならない。
本人が良いなら・・・と楽観視していると、突然倒れてしまうのが労働災害というものだと認識することが大切なようである。
もし、なるほど!と思って頂けたら、読者ボタンを押して貰えると嬉しいです(^^)