その様な中、外国人技能実習生の過労死が認定されたと言うニュースを目にしました。
フィリピン人のジョーイ・トクナンさんは、岐阜県の鋳造会社で鉄を切断したり、金属を流し込む型に薬品を塗ったりする作業に従事していました。2014年4月に従業員寮で心疾患により亡くなっています。心より御冥福をお祈り致します。
岐阜労働基準監督署によれば、1ヶ月に78~122時間の時間外労働をしていたと言うことですから、「技能実習」とは名ばかりのブラック労働だと言えます。
外国人技能技能実習制度とは?
外国人 技能実習制度とは、後進国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、日本にとっても重要な「国際協力・国際貢献」政策の1つです。以下のように技能実習生には、あくまで「帰国してから母国の発展に貢献してもらうこと」が主目的です。またそれによって、日本にとっても外国企業との関係強化や、国際化による活性化が期待されています。
- 技能実習生は、修得技能と帰国後の能力発揮により、自身の職業生活の向上や産業・企業の発展に貢献
- 技能実習生は、母国において、修得した能力やノウハウを発揮し、品質管理、労働慣行、コスト意識等、事業活動の改善や生産向上に貢献
- 我が国の実習実施機関等にとっては、外国企業との関係強化、経営の国際化や社内の活性化に貢献
原文まま*1
以上のような目的を考慮すれば「過労死するほどの長時間労働を強いる行為 」は決して許されるものではありません。この鋳造会社は、1人の若者の命を奪っただけでなく、外国の発展を担う貴重な人材をも奪ったことになります。
外国から見れば「制度を悪用して外国人を奴隷のように酷使して潰す国」以外のなにものでもありません。記事によれば「最低賃金はもらっていた」と記述されていますが、そんなのは当たり前です。むしろ最低賃金ギリギリの低賃金で「実習生」を酷使していたことになり、非常に問題だと思います。下手をすれば国際問題にまで発展しかねません。
今後、日本の少子高齢化が加速するにあたり、外国人労働者を登用することについて議論されていますが、外国人の方から日本が敬遠される危険性もあります。
実習生の受け入れ企業の厳重な審査が必要では?
上記の引用文は「公益財団法人 国際研修協力機構」からのものです。外国人技能実習制度を運用する公益財団法人だそうです。
当然、実習生の受け入れ先の企業を審査していることと思いますが、従業員の働かせ方に問題がないか、より厳重な審査が必要ではないでしょうか?
厚生労働省によれば、統計をとり始めてから昨年度までのあいだに、外国人技能実習生の過労死認定は初めてのことだそうです。ただし技能実習生の労働災害が年々増加しているとのことで、国会では待遇改善のための法案が審議されているそうです。
まとめ
以上のように、もはや日本の労働問題は国際問題にまで発展しかねないレベルにまで達していると言えるでしょう。また逆に考えれば、それだけ長時間労働を問題視する世論が生まれているとも考えられます。
将来を担う若者は大切に育てなければならない存在ですし、年長者にはその責務があると思います。日本の若者だけでなく、外国の若者まで苦しめる日本のブラック労働は、一刻も早く改善せねばなりません。
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