SHIINBLOG

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

都庁の「残業削減マラソン」ってどうなのよ?www

都庁の働き方について続報が入ってきました。

 

www.huffingtonpost.jp

 

都庁の残業削減マラソン・・

小池百合子知事の宣言に対して、真っ向から否定する記事を書きましたが、もう「残業削減マラソン」でもなんでもいいから、結果を出してくれ!と言う感じですね(笑)

「部署ごとに残業時間削減率を競う」と言うことらしいです。

う~ん、こう言うのって どうなんでしょうか?

例えば、国が一定の目的で産業構造をコントロールするために法律を変えるのとは違うと思うのです。ある特定の産業を伸ばすために法規制を緩和するなど、国が個別の企業に直接働きかけることなく、総括的に全体を最適化の方向へ誘導する・・・。そういった類のものは、「施策」によって間接的に誘導していくのは有効だと思います。

しかし職場の働き方を変えていくのに、果たして「総括的な全体の誘導」はどこまで有効なのであろうか?例えば、部署ごとの残業時間削減率を競わせて、その結果を部署長の「評価」にするとしましょう。しかし働き方改革の真の意味を理解していない部署長は、残業時間削減には反対だが、自分の出世のために「表向きは残業時間が削減されているように見える」と言うことをやりかねない。具体的には、部下を早く帰らせるけども、結局は「自宅で仕事をさせる」など。

一般企業でも、例えば「残業時間が少ない部署の長を評価するシステム」を構築しようとすれば、必ず「部下にサービス残業を強いる部署長が出る可能性があるので、その監視をどうするか?」と言う意見が出ます。事実、その危険性は十分にあります。

逆のパターンで言えば、日曜日の振り替え休日の失効の責任を部署長に負わせたところ、表向きは「休んだこと」にして「実際は働かせていた」と言う事実があります(※私が勤める会社の過去の実例)。

しかし、何故か私の会社は同じ過ちを繰り返します。「業務の効率化」と言う観点で見ても、ワークライフバランスは重要だとして、本社は様々な方策を打ち出します。その1つが「新任管理職の教育」でした。しかし会社にワークライフバランスの重要性を訴えた労働組合の上層部が新しく管理職になっているので、本来は「教育を受けるまでもない」のです。私が長を務めていた時から、組合からは「そんなの意味ない」と再三繰り返して訴えました。「年齢が上の管理職を再教育しなければ意味が無い」と散々訴えたんですが、実施してくれない。

つまり「あいつらを今さら教育しても・・・」と言うのが会社の本音。

だったらクビ切れよ!と思うんですが、できないんですねぇ・・・。

そんな企業内環境で「有給取得促進」なんて施策を打ち出しても、結局は何も変わりませんでしたね。本社と中堅以下の社員が、その大切さを理解しているとしても、部署長が「休まずに働き続けることが美徳」と考えていれば、結局は表面を取り繕うだけで、「実際のところは何も変わらない」と言うのが現実でした。

おそらくですが、都庁の「残業削減マラソン」も同様の結果になりそうな気がしてなりません・・・。

 

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都庁職員の意識と残業時間の記録に乖離はないか?

そしてもう1つ気になるのが、都庁職員のコメントと、実際の残業時間が「合わない」ような気がする点について。例えば、以下の引用を読んでみて下さい。

 

「知事の方針は衝撃でした」と内田知子・職員支援課長。知事の「残業ゼロ」の公約を知り、「週1回、午後10時帰宅を目指そうか」と職員同士で話していた。「それすら挑戦的だと思っていた」という。

原文まま

 

う~ん、やっぱり私の感覚では「異常」ですね。

週に1回も22時前に帰宅できない仕事量って、尋常じゃないのではないかと感じます。そんなにみんな仕事できないの?って思ってしまいます(※こんなこと言うと批判殺到しそうですが・・)。

 

・・・と、それはさておき、この後の記事を読むと、ちょっと腑に落ちません。

 

都庁職員約4万6千人の残業は、1人あたり月平均9・6時間(管理職除く)。本庁職員は月23・5時間で、多い人は年間千時間を超える。職員支援課でも、深夜の退庁は珍しくないという。

原文まま

 

みんな週に1日も22時前に帰れないという状況を考えれば、1日の残業は少なくとも4時間であり、週に20時間で月に80時間になります。これは立派な過労死ラインであり、都知事が騒ぐのも頷けます。

しかしですよ。管理職を除くと言えども、1人あたり月平均9.6時間、本庁職員でも23.5時間って、何かおかしくないですか?一方で「多い人は年間で千時間を超える」と言うのであれば、やはり「マネジメントが不十分」なのではないだろうか?

だって月に約10時間の残業なら、1日30分です。月に約24時間の残業なら、1日1時間15分です。

一方で月に1000時間超えるとか、深夜までの職員が多いというなら、それはやはり、特定の職種に仕事が偏っているのであり、マネジメントが何よりも重要なのではないか?と思います。

都庁職員全員でマラソンしても意味ないんでない?残業が多い特定部署に狙いを絞ってマネジメントしないのかな?って思うのですが・・・。

 

 

そもそも日本人って仕事多くないですか?

これについては良く思います。上記記事でも、こんな一文が・・・。

 

「前任者が作った資料は必ず作り、さらに追加する感じ。万全を期したいという思いからとはいえ、自分たちで仕事を増やしているところがあるかも。残業を減らす努力はしてきたつもりだけど、抜本的な見直しが必要です」と内田課長。

原文まま

 

これ、凄いあると思います。

私の上司も、「これって無駄なんじゃないのか?」と言う仕事が多すぎて、正直困ってます。後輩なら躊躇せずにケチョンケチョンに説教するようなこと、上司にやられるとマジで困ります。

と言うのも、私の印象では、日本人は「クソ真面目すぎる」です。真面目にバカ丁寧に時間かけて仕事してますが、残念ながら、「そこまでする必要なくない?」ってのが多すぎる。だから毎日、22時過ぎるまで仕事するんだよ!って言いたい。

だって日本の全体で言えば、「景気が良くない」わけですよね。つまり、どんだけ沢山働いたところで意味が無い訳です。死にそうなぐらい働いても不景気な訳ですから、何かが根本的に間違っているんですよ。

そこを変えないと!

私が勤める会社も同じです。

みんな毎日毎日、遅くまで残業して疲弊して、だけども赤字

これって、根本から見直さずして、どうしろと言うのか?って私は思うのですが。

でも会社の人達は「素晴らしい成果」をひたすら追求し続ける・・・。アホです。

 

う~ん、都庁職員ではないので分かりませんが、私の体感では、週に1日も22時前に帰れないってのは、よっぽど仕事が多すぎるか、「仕事できないヤツ」かのどちらかです。

 

やはり、日本人の考え方を根本的なところから変えなければ、何も変わらないのではないか???と本気で思います。

「働くこと」に対して、もっと気楽に考えてみませんか?

 

 

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