木星は何故見える?
木星は「ガス惑星」と言われており、水素やヘリウムが主成分となっています。知り合いとそんな話をしていたら、こんな素朴な質問を投げかけられました・・・
「気体って目に見えないんだよね?でもなんで、木星は目に見えるの?」
確かに、ハッキリと見えてますね・・・
なるほど。鋭い質問です。
答えから先に言ってしまうと、実は「ガス惑星」と言う言葉そのものが、厳密には正確ではないのです。
例えば、地球では水は「液体」が一般的な状態ですが、寒ければ「氷=個体」ですし、蒸発すれば「水蒸気=気体」になります。水蒸気になれば目に見えないと、小学生の時に教わりましたね。
でも、雲や霧は、一見ガスのようで、目に見えますよね?地球を宇宙から見れば、雲に覆われている部分は白く見えます。雲や霧は小さな雨粒(液体)の集合体なので、目に見えるんです。霧がかかってることを、よく「ガスってる」とか言いますが、厳密に言えばガス(気体)ではなく、「細かい液体の集まり=霧=雲」なんですね。
水の細かい液体が気体のように空中に広がり、下の写真のように「モヤ」として目に見えます。
実は、木星でも同様の事が起こっているのです。
地球では通常は液体にならない水素ですが、木星は非常に大きな星ですので、ものすごく大きな重力を持っています。圧力がかかれば、温度が高くても気体は液体になります。そのため、地球上では塵を芯にして出来た小さい雨粒が集合して雲が作られるように、木星では水素が雲になっていると考えられています。
確かに、木星の拡大写真を見ると、雲がうねっているように見えませんか?ちなみに、木星のトレードマークの一つである、「大赤斑」は超巨大台風の目(地球がまるまる3個入る)であることが、最近の研究で分かっています。