大人になってから数学は役に立つの?
ここでは「リテラシー不足」という話題から始まります。
リテラシーとは、与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する能力といった意味があるようです。
まさに科学技術に携わる上で必要な能力です。今後日本がより良い国になるためにも、リテラシーを持った人材が育つことは良いことだと思います。
教師にリテラシーがない?
この記事では親や学校の先生にリテラシーがないと問題視されています。「理系の教育は非常に大切だけれども、楽しく学べるような授業ではない」とも・・・。
今はどうか分かりませんが、確かに私も中学校の時の科学の授業を、楽しいと思った記憶はあまりありません。
かと言って、それを全て「教師の能力不足」と断じてしまうのは、気の毒に感じます。だって、「労働」と言う観点で見た場合、学校の先生ほど過酷な労働を強いられている職業はないですからね。
それと、単なる「リテラシー不足」の他にも、先生が楽しく授業をできない理由はありそうです。
と言うのも、この対談記事を読んで自分の中学時代を振り返ったとき、とあるエピソードを思い出したのです。
大人になってから数学は役に立つの?
中学1年生の時の、ある日のこと。
数学の授業中にクラスメートの1人がこんな質問をした。
「先生~、数学って、大人になってから役に立つんですか???」
先生は20代中盤くらいの女性だったのですが、しばし無言で考えた後、
「う~ん、役に立たないなぁ・・・」
と、バツが悪そうに答えました。
質問した彼は「やっぱり、そうですよね~」と納得し、
当時の私も「なんだ、役に立たないのか」と思ったのを覚えている。
それから十数年の年月がたち、大学で理系に進んだ私は、その後「科学技術に携わる業界」に就職。そして心の中で思い切り叫びました。
「なんだよ!!メチャクチャ数学使うじゃん!!!」
しかも積分とか数列とか、割と高度な部類の数学です。三角関数も普通に使うし、対数グラフだの相関係数だの、日常的に数学が出てきます。
「あ~、もうこんななら、もっと数学勉強しておけば良かった!!」と痛感・・・。
(※何せ私は理系は理系でも、あまり数学使わない理系だったもので・・・)
と言うことで、結論
学校の先生が生徒に興味を持たせられる授業をできない要因として、確かに「リテラシー不足」もあるかも知れません。
でも、そもそもその前に、
「世の中にはあらゆる職業があり、学校で習う授業で、役に立たないモノは1つもない」
と言うことを先生自身が分かっていないのが問題なのだと思います。
確かに先生って、大学を出てそのまま学校に就職すると、世の中のことを良く知らないまま生徒と関わることになりますね。
「先生は世間知らず」と良く言われたりしています。
しかし、かと言って「先生はもっと世の中のことを勉強しろ!」と言うのも非常に気の毒です。
まずは第一に、先生の労働環境を整備すること。
そして第二に、「異業種間交流」を先生の教育の場として、学校行事に組み込むこと。
例えば私の様な人間が自分の仕事上の経験を先生に語るのも良いかも知れません。
上の記事でも言っていますが、国を変えるには教育が一番手っ取り早い。
まさに、その通り。
より良い教育を考えたときに、もはや教師だけに苦労を強いる時代ではないと思います。世の中のあらゆる「プロフェッショナル」も積極的に教育に関わることで、より良い日本を育てる礎ができることを期待しています。