学校の理科教育を考える① ~「地球科学」こそ、日本人が学ぶべきサイエンスなのだ!~
こんにちは。ジオジオです。
このニックネーム、「ジオロジー(geology)」から名付けたもので、「地質学」という意味を持っています。
みなさんは「地質学」と聞いて何を思い浮かべますか?
「地層のこと?」と思った人は、非常に勘が鋭いですね。
そうです。
地質学をザックリと説明すると、「地層や岩石を研究して大地の成り立ちを解き明かす」学問のことです。
そして大地の成り立ちだけではなく、地球に関するあらゆることを対象にした学問を「地球科学」あるいは「地学」と呼んでいます。地質学は地球科学の中の1分野です。
地球科学(地学)の分野(主に高校で習う内容)
地球科学は、大きく分けて以下の分野に細分されます。
①地質学:上で説明した内容です。岩石学や古生物学(化石)も含まれます。
②地球物理学:地球磁場や地震波を観測したりなど、主に物理学的なアプローチで地球を研究する学問です。惑星の運動に関する研究なども含まれます。
③地球化学:岩石や鉱物の成分を分析したり、主に化学的なアプローチで地球を研究する学問です。隕石を研究して太陽系の成り立ちを研究している人もいます。
④天文学:厳密には地球に関する学問ではありませんが、高校の授業では地学に含まれます。
⑤気象:天気に関する全般。大気、気流、海流等に係る学問です。
⑥火山学:国の機関では「気象庁」に含まれていますが、どちらかというと「地質学」に近い学問です。
⑦地球環境科学:環境問題が叫ばれるようになってから生まれたものです。上記①~⑥を総合したような、あらゆる分野を網羅しています。
・・・と、こんなものでしょうか?
一口に「地球科学」と言っても非常にバラエティーに富んでいます。しかも他の学問(物理、化学、生物学)を取り入れており、まさに「総合科学」と呼べるような学問分野です。それに、気象や火山など、案外、私たちの生活に直結するものがありますね。
地球科学は意外と身近な学問なのだ!
このように、案外と身近な地球科学。さらに皆さんが知らないところで、かなり生活に密着しています。
例えば、一時期問題になったマンションの杭偽装・・・。建物の基礎をどうするか決めるための事前調査として、地質調査が行われます。地質調査は「地質学」の知識を持った専門家が実施しています。
また大雨や地震で土砂崩れが発生したりしますが、その復旧のための事前調査も、やはり地質調査です。ダムとか堤防とかの施設を建設する際も、事前に地質調査が実施されています。
そして最も重要なのが、地震や火山に関する研究です。4月に発生した熊本地震では「活断層」が動いて発生したと言われています。その「活断層」を調査するのも地質学です。それと東日本大震災の津波に関しても、実は過去の同様な地震である「貞観地震」の時の「津波堆積物」の調査がされていたのですが、残念ながら調査が終わる前に地震が発生してしまいました。
②へ続く