人工知能は人間の仕事をどこまで脅かすのか?
最近は「人工知能」が話題になっていますね。
人間の仕事が人工知能に奪われるのでは?と不安視する声もありますし
また2045年には人工知能が人類の知能を超える「技術的特異点:シンギュラリティー」が起こると警鐘を鳴らしている人もいます。
私も人工知能には興味があり、何冊か本を購入してますので、そのうち読み終えたらブログで紹介しようと思います。
さて、今回は以下の記事を読んで思ったことについて書いていきます。
人工知能の現状
まだまだ勉強不足なので不十分かもしれませんが、人工知能の現状について。
記事でもあるように「従来の検索機能よりも高レベルの検索を自動でやってくれる」というものが、弁護士アシスタントとして期待されているようです。法の世界は、法律の条文そのものだけではなく、「裁判の判例」も重要視されます。これまでの全国の裁判所で実施された「同様事件の判例」をくまなく集めてくれるのですから、とても有能なアシスタントですよね。
今までは単純なキーワードによる検索をして、ピント外れなものも拾ってしまっていたのが「人間の感覚の様な」要素が加わり、失敗しても成長しながら検索能力が上がっていくようです。これを「ディープラーニング」と言うらしいのですが、私もこれらか詳しく勉強していきたいと思います。
この「ディープラーニング」の延長線上で、例えば「シェイクスピア」の作品の内容を人工知能に学ばせて「シェイクスピア」になりきらせ、「新作」を書かせようと言う試みもあるようです。
ちなみに「自動運転」は実は技術的には既にいつでも実用可能と言うことで、あとは万が一の事故の時の責任問題に関する法律の整備待ちらしいです。
人工知能に取って代わられる職種は?
上記の現状を考慮すると、以下のような職種が、まず人工知能に移行しそうです。
①テレフォンサービスのオペレータ、クレーム処理係など、ある一定パターンの対応をする仕事。発展すれば、人工知能の塾講師が近いうちに生まれるかも?
②不動産の接客や銀行の貸付、保険の窓口など。
③経理や社内資料の作成、承認作業などの事務・総務の仕事。
④通訳、翻訳など。
⑤運転。電車、バス、タクシーの運転手。
⑥情報を集めてパターン別に集計するなどの「秘書」的な仕事。
⑦受診時の問診やレントゲン等の画像診断など、医療分野の一部にも取り入れられそう。
などなど、今の私に思いつくのはこの様なものですが、これに「人間のような動きを再現できるロボット」が実現し、それに人工知能を搭載すれば、あらゆる仕事が人工知能に取って代わられそうです。
仕事が取られて困るのだろうか?
仕事が取られる!と不安がるのは、人工知能がここまで発展する前にも、実はあちこちであることです。特にホワイトカラー職種の中の事務職なんかは、自分の立場がなくなるのを恐れ、同僚や後輩に自分の仕事を渡さずに「抱え込む」人がいます。こういう人が、残業問題の要因の1つにもなってるのですが・・・。
それとこれまでも、人類の技術革新のたびに、無くなった職種は沢山あったと思います。デジカメの普及で写真を現像する写真屋さんは激減したし、オフィスプリンターの進歩で印刷屋さんも少なくなっています。その一方で、別の職業が生まれたりしています(HP作成代行やアフィリエイターなど)。
むしろ私は、困難な検索作業等を素早くやって貰えれば人間にとって有益ですし、人手が少なくて困っている医療機関の戦力が増えることで、医療サービスの向上も期待できると思っています。例えば画像診断などは、人間のお医者さんよりも見落としがなく、正確な診断が期待できます。また自動運転が実現すれば、悲惨な死亡事故も減らせます。
これから少子高齢化へ向かい、人手不足が懸念される日本にとっては、逆に良い方向に行くのではないでしょうか?
むしろ人工知能を積極的に利用する方向に向かう方が、国際競争力向上に寄与するのでは?と思うのは私だけではないと思います。
未来に向けて考えておくこと
人工知能の発達で、まずは「良い事」が増えると思います。例えば医療の現場が慢性的な人手不足なのは、やはり「医者」のような高度な専門家を教育するのが困難だからです。国としては医者を増やしたくても、なかなか増えないのが現状です。その他、不人気な職種についても、人手不足が解消されるでしょう。
はじめのうちは、人手不足の職種に普及して便利になりますが、次のステップでは、間違いなく「職業が奪われる人」が出て来るでしょう。その時までに「人間にしかできない仕事」が何かをリサーチしておき、その職業につけるように自分を磨くことも大切です。
ただ私の楽観的希望だと、職業が奪われても「ベーシックインカム」のような最低限の生活を保障する社会システムが構築されるのではないかと思っています。現在は限られた人間の稼ぎで大多数の人間を養うのは無理ですが、「将来は人工知能が利益を生み出してくれる」と予想されます。そうなれば可能ですよね。楽観的過ぎですかね?
また人工知能の開発には資金が必要でしょうから、「一般市民から少額ずつの投資を募り、将来その人工知能が生み出す利益から配当金を得られる」といったビジネスモデルも生まれるかも知れません。
むしろ私は「仕事を奪われる危機」よりも「人生の楽しみを奪われる危機」を危惧すべきではないかと思います。あらゆる仕事がなくなって行き、最終的に創作活動や芸術的なものまで人工知能に取って代わられた時、人類が「存在価値」を見失ってしまわないかが心配です。
人工知能によって人間と同等以上のものが出来上がってしまったとき、人類が「アイデンティティー」を失わないように、我々は今のうちに何かしらの方法を見出しておくことが必要かも知れません。