これだから面白い! ~「結果論」としての進化論とは?~
先日は「素数ゼミの謎」という本を紹介させて頂き、進化についてちょこっと触れました。
上の記事では本の紹介がメインでしたので詳細説明は避けましたが、この記事で「進化」についてお話ししたいと思います。
進化とは長い年月により生み出されたもの
もともとはチャールズ・ダーウィン が提唱した進化論。
その中心部分を成すのが自然選択説で「環境に適応したものが生き残る」という理論です。
これについては、感覚的に理解できると思います。でも時には、人間の感覚からすると突拍子もないと思えるような生き物がいますよね。
例えばハナカマキリ。花にそっくりで、確かにあれなら鳥に食べられないだろうし、獲物に気づかれずに捕まえられる。だけど、何であんな姿になったの??
と、不思議に思う人って沢山いると思います。
このように「理屈は分かるけど、ピンと来ないんだよな~」と言う人のために1つだけヒントです。
進化の背景には人間では想像もつかない程の長い年月がある!
まさに地球の長い歴史こそが生物進化の背景の1つでもあります。
時が解決する・・・と言いますが
進化に関する「はてな」は、長い長~い年月の経過を考えると案外スッキリと分かります。
by:{franzi}
進化とは結果論である!
これは専門家が言っている訳ではなく、あくまで私の感想です。
と思っていたら、検索してみたら同じこと言っている人がいました(笑)
では具体的にどういう事か、説明していきます。
〇クジャクの例
クジャクって派手で長い羽をババッて広げますよね。
あれはオスだけで、メスの気を引くために進化したらしいのです。
でも、あんな羽、厳しい自然を生き残るには不要にも思えます。
しかも「メスの気を引きたい」と思ったからって、自分の羽を思い通りに派手にできるのか?
人間ならモテるためにオシャレしますが、顔までは変えられないですよね。
「染谷将太みたいな顔になりたいな~」と思っても、なれないですよね(笑)
でも、クジャクの羽は派手になれたのです。
何故なら「結果論」だから。
では、詳しく説明していきましょう。
by:frielp
①はじめはオスもメスと同じで普通だった。
②ある時、「少しだけ」派手な羽をもつオスが生まれた。
この「少しだけ」がポイントです。突然の大幅リニューアルは、自然界にはまずありえないと考えて下さい。
子供はオスとメスの遺伝子が組み合わされて誕生するので、親にそっくりでも微妙に違いがあります。
あくまで「たまたま」羽が少しだけ違っていた。羽毛の1枚だけなのか、全体的に色が少しだけ変わったのかは分かりませんが、とにかく親より少しだけ違う羽を持つ子供が生まれました。
③その羽を見た同年代のメスは「あら、素敵じゃない?」と思った。
もしかしたら、他にも「少し違う羽」を持った子供が生まれたかも知れません。
でもその中でメスが「素敵!」と思える羽を持つオスが、モテモテでした。
なもんで、子孫を多く残すことができた。
④モテモテお父さんの羽を受け継ぐ子供が登場!
もちろん、メスと遺伝子は半々なので、お父さんにソックリな子供ばかりではありません。それにお父さんの羽に関する遺伝子だって、この段階ではまだ100%ではないので、子供全員に受け継がれる訳ではない。子供のうちの何分の1かだけ少し派手な羽を引き継ぐ子供が生まれます。
⑤何世代も繰り返すうちに「少し派手な羽遺伝子」が多数派になる。
何せモテモテですからね!羨ましい限りです。
⑥そのうち「さらに少しだけ派手」な子供が生まれます。
そしてこの「バージョン2の羽」のオスは、メスから「あら!もっと素敵じゃない?」と「バージョン1の羽」のオスよりもモテまくります。
⑦その繰り返しにより、今のクジャクが出来上がり!
おそらく、かつては「もっと派手で長い羽」を持つ個体も生まれたと思うのですが、あんまりにも行き過ぎたものは敵から逃げられない等の理由で、逆に生き残れなかった可能性が高いです。
すなわち、「メスにモテる」と「敵から逃げられる」が丁度良いバランスになっているのが、今のクジャクなのでしょう。
以上のように
「何世代も繰り替えし、少しずつ変化する」
が進化であり、まさにそれを可能としているのが長い年月なのです。
そして
「派手になろうとしてなった訳でなく、たまたま派手になったものがモテたため、子孫を残し、多数派になった」
と言うのがクジャクの羽の進化であり、だからこそ結果論だと分かって頂けたでしょうか?
まだまだ面白い進化の話
進化の話は、まだまだ面白いものが沢山あります。
この記事ではクジャクだけでいっぱいになってしまったので、これからたまに、また進化の話をさせて頂きたいと思います。