学校で労働基準法を教えれば、労働災害はもっと減るのでは?と思った
こんばんは。ジオジオです。
先日、大学生と話す機会がありました。そこで仕事に関して話す中で、その大学生は「就職したら残業するのは当たり前と思っていた」と言うのです。
労働基準法を知らないことの不利益
確かに日本社会の現状、日本人の風潮はその通りなので、学生さんがそう思っても仕方がない面があります。
ただ、もっと驚いたのは
・日本の法定労働時間は1日8時間
・基本的に、使用者は法定労働時間、もしくは所定労働時間を超える労働をさせてはならず、させる場合は割増賃金を支払わなければならない。
・ただし法定(所定)時間外勤務時間にも上限が定められている。
と言った基本的な部分も知らないという事実でした。
でも確かに、自分の場合を振り返っても、学生の時に労働基準法について知識があったかと言うと、そんな記憶はないですね。
そうなると、日本中の学生がこの大学生のように「残業は当たり前」と思うでしょうし
「日本は不景気なのだから、残業代は貰えなくても仕方がない。」と考えても不思議ではありません。
世の中の情報は圧倒的に「企業側発信」が多い
そう、考えてみるとそうなのです。
人間はどうしても、大きな幸せを掴んだ人の成功談が好きです。
これから社会人を目指そうという若者は、1人のサラリーマンが書いた本より、大企業を育てた創業者の自叙伝を読むでしょう。
しかし、先日の記事でも書きましたが、前提条件が異なるので経営者の成功体験は、そのまま労働者の成功につながることは限りません。むしろ参考にしない方が良いのです。
例えば「創業当時は何日も寝ずに一生懸命働いた」と言う話は、あちこちから聞こえてきますよね。まぁ、経営者ですから、それで成功しなくても自己責任です(身体は大丈夫?と気にはなりますが)。また逆に成功した場合は、大きな利益が直接自分に返ってきます。
では、労働者側はどうでしょう?
まず第一に、労働時間は強制的です。経営者の場合はイザとなったら逃げることは可能です(もちろん不利益を被りはしますが)が、労働者は多くの場合、命じられれば従わざるをえない状況にあります。
そして第二に、経営者は「明確なゴール」を見据えています。当然です。自分の会社なのですから、今の仕事をどう着地させるかのビジョンはあります。そうなれば例えば「今週を乗り切れば何とかなる。それまでの辛抱だ。」と自身を鼓舞できます。実は人間これが大切で、目的意識と制限時間があれば、何とか持ちこたえられたりします。
一方、労働者の場合、次々と仕事を命じられ沢山の仕事があり、明確なゴールが分からない場合が多いです。「こんな生活がいつまで続くのだろう?」と思うと精神的に滅入ってしまいます。精神に不調をきたす場合、大概このような背景があります。
最後に、上でも書きましたが、経営者の場合は成功した時に大きなリターンがあります。一方、労働者の場合は上司に褒められて出世しやすくなったり、多少、給料が上がるくらいで終わってしまいます。
この様に、経営者と労働者では異なっているにも関わらず、経営者側の情報が圧倒的に多いのは決して良い傾向とは思えません。
だからせめて、労働基準法を教えよう
思い起こせば、学校では文集などに「将来の夢」を書かされますよね。ここでは大概、職業を書きます。プロ野球選手になりたいとか、アイドルになりたいとか。
でも大部分の子供たちは成長するに従い、現実を見て大きな夢を捨て、小さな夢に向かいます。そして多くの学生さんがサラリーマンになります。
サラリーマンになっても、まだあの頃の夢は胸に秘めています。サラリーマンとして成功するために、「成功者(経営者)」の本を手にします。
そして成功を目指して、残業代も貰えないのに一生懸命に無理して働き、身体を壊してしまいます。最悪の場合、命を落とすことも少なくありません。
でも、経営者の成功体験を読む前に、労働基準法の基本的な部分である
労働者には正当な権利がある事(当然、義務を果たすことも重要ですが)
労働時間は制限されており、その時間は「健康を保つために」決められている事
を知っていれば、救われた命もあったかも知れません。
若い人が過労死したというニュースを目にするたび、非常に胸が痛くなります。
まずは、学校で「労働基準法」を教えてください。
そして、一方では私のような人間が「サラリーマン側」の情報を、もっともっと発信していきたいと思います。
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