SHIINBLOG

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

ブラックバイトを撲滅しよう!「社会人は責任があってエライ」「学生は甘い」って本当?

 ブラックバイトの話題は後を絶ちません。

news.careerconnection.jp

 

ブラックバイトの実態

企業にとっては、確かに人件費を抑えることでコストカットでき、利益につながります。しかし、そこで時給の安い学生を労働者の主力にさせようと言うのは、非常に近視眼的で短絡的な発想です。

確かに高校生や大学生アルバイトは、比較的安い時給で雇う事ができる。しかしそれは「高度なスキルを必要とせず、また重度な責任は発生しない」と言う仕事に限ります。これは普通に考えれば理解できることで、誰もが「高度なスキルを要する仕事」「責任の大きな仕事」給料の安いアルバイトとしての立場で実行しようとは思わないでしょう。大きなリスクには、大きなリターンなくして挑む理由はありません。

過剰な責任がかかれば、学生アルバイトは当然「こんな仕事を続けるのは、自分には無理だ」となり、辞めようとします。すると

「あなたには責任がある」「そんな甘い意識じゃ社会人としてやっていけない。ここで学んだことが社会に出て役に立つ」と言うという。すると学生は、「自分は甘かった。こんな意識では自分は社会人になれないんだ」と真面目に受け取ってしまう。夜間勤務を毎日シフトに入れられて、学校にまったく行けなくなってしまった人もいるそうだ。    原文まま

この様な手口を使って 学生を引き止め、安い賃金でこき使います。牛丼チェーン店でもそうですが、やはり「深夜勤務」がネックになっていますよね。人手の足りない深夜の時間帯をアルバイトに従事させるために、上記のような「社会人としての責任」「意識が甘い」と言う言葉を使ってアルバイトを従わせてしまっています。

 

社会人には責任がある、学生は甘い?

私は学生時代にスナックでアルバイト(ボーイさん)をしたことがあります。色々な人たちが飲みに来ました。お客さん達は基本的にはホステスさんを目当てに飲みに来ますが、普段は大学生と絡む機会が少ないからか、良く話しかけられました。お酒も御馳走してくれ、色々なタイプの大人たちと話が出来て、非常に良い社会勉強になりました。

もちろんサラリーマンも沢山いて、酔いがまわってくると「社会人は責任があるからエライ」「その点、学生は甘い」と良く言われたものです。

確かに学費と生活費は親が出してくれていましたし、スネかじりではありました。しかし決して裕福ではない家庭でしたので、親には申し訳ないと思ってましたし、その分、なるべくアルバイトするようにしてました。でも親は私に「勉強してほしい」から苦労してお金を捻出してくれるのであって、私にはしっかり勉強する責任があると思っていました。大学で勉強したことを生かした職業に就かなければ、親の苦労に報いることはできないと思い、自分の専門は必死に勉強していたものです。ですので「甘いと言われる筋合いはない」と心の中では思っていました。しかし一方で、社会人の気持ちは知る由もないので、アルバイトと言う立場ですし「そうですよね~」と適当に話を合わせていました(笑)

しかし一方で、「学生さんは偉いよ」と言う人がいました。その人は

「社会人も日々勉強なんだよ。人間、生きてる限り勉強の毎日なんだ。しかも社会人の場合は勉強させてもらって、なおかつ給料まで貰っている。その点、自らお金を払って勉強しているのだから、学生さんは偉いと思う」

と話してくれました。これは皮肉とか嫌味とかではなく、本当に心からそう思っている雰囲気でした。

f:id:geogeokun:20160722194336j:plain

 

自分が社会人になって思っていること

そして自分が社会人になって思ったこと。それは「別に社会人だからってエライ事なんて1つも無い」ってことです(笑)

給料を頂いている以上、給料分の責任があるのは当然の事です。また私が働いている理由は

・自分が食べていくため。

・自分が人並みの生活を送るため。

・自分の人生をより豊かに送るため。

です。もちろん、自分の仕事を通して社会貢献できればなお良いですが、一番はやっぱり自分のためです。もちろん結婚して子供が生まれたりすれば、自分プラス家族のためとなります。でも家族の幸せは自分の幸せなので、結局は自分のためです。

社会人とか言ったって、よっぽどの聖人君子でない限り、みんな自分の幸せのために働いています。自分が幸せになるために働いて給料を貰う以上、その給料に対する責任は生じます。つまり、社会人の責任は、所詮「自分のため」なのです。何も特別な事は1つもなく「偉くも何ともない」と言うのが、10年以上社会人を続けて来て至った私の結論です。

もちろん「自分(家族)のために働く1人1人の頑張り」 の集合力によって日本社会が成り立っているのは事実です。しかし、それをもって「社会人はエライ」と言えるほど、私は傲慢にはなれません(^^;

 

学生さんは学ぶことが本分なのだ!

私が学生の頃「親は自分に勉強して欲しいと思っている」と考え「社会人になってから生かすために、専門の勉強を頑張った」のは、正解だったと思っています。

社会人は社会人、学生は学生です。社会人が自分の給料分の責任を持つのは当たり前ですし、学生さんは勉強を第一にしなければ、学生でいる意味は無いのです。

それに今「社会人には責任がある」と威張っている人だって、昔は学生だったのです。学生と言う立場は、全ての社会人が通る道です。その学生に「甘い」と言うのは自分の過去を否定しているようなもの。

社会人経験が無いことを甘いと言うのなら、学生が甘いのは当然のことで、わざわざ口に出していう事ではありません。学生は勉強が本分。だから責任が大きくならない範囲の労働で少額の時給を得ているのです。社会人の論理を適用してはなりません。過大な責任を要求するのであれば、キチンと「社会人としての待遇=正社員として採用」をするのが会社側の義務ですよね。

学生は意識が甘いだ?それでいいじゃないの!学生なんだから。時期が来れば、イヤでも社会人になります。その時に責任だって自然に生まれます。

f:id:geogeokun:20160722194708j:plain

 

社会人は学生を育てる度量を持とう!

本来、学生さんは未来の担い手であり、周囲の大人たちは温かく見守り、育てなければなりません。私に「学生さんは偉い」と言ってくれた、あの人のように

逆に考えると、現在の日本社会でブラックバイトが横行する背景には、社会人に余裕がないことがあるのかも知れません。確かに不景気は続き「残業当たり前」の企業風土の中、疲弊している大人達ばかりです。その原因の1つは、以前も話したような「便利さの安売り」などによって生じる社会のひずみだと思います。そのシワ寄せが未来を担う学生たちに及んでいるとしたら、やはりこんな世の中は軌道修正していかねばなりません

もちろん、学生さんはアルバイトをする限りは、時給分の責任はあります。しかし学生の本文は勉強にあります。キチンと勉強して、将来の日本を支える力の1つになってくれれば、それで良いのです。

強いて言うなら「勉強することが責任」です。学生のうちから仕事に関して過剰な責任を負う必要はありません。周囲の大人たちが日々このようなアドバイスを送ることで、ブラックバイトに引っかかる学生さんを1人でも減らせるのではないか?と思います。

 

学生さんは宝です。若者を疲弊させる世の中に未来は無いと言う事を、私たち大人は十分認識する必要があるのではないでしょうか。

 

もし、なるほど!と思って頂けたら、読者ボタンを押して貰えると嬉しいです(^^)

 

あわせてお読みください↓

geogeokun.hatenablog.com