SHIINBLOG

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「名ばかり管理職」のもう1つの意味 ~日本の管理職よ!そろそろマジメに働こう!~

先日は「名ばかり管理職」についてお話ししました。

geogeokun.hatenablog.com

ここでは、企業が勝手に法律を拡大解釈して、権限のない「管理職」に残業代を支払わない状況が完全に違法であることをお話ししました。

今回は逆に、管理職と言われる人が本当に管理職に適しているかどうか?と言う問題に着目します。

管理職の役割を考えた時、日本には本来の管理職としての職務を全うしている管理職は、果たしてどの程度いるのでしょうか?

日本では「残業が当たり前」の風習がまだまだ根強く、サービス残業問題が横行し、ホワイトカラーの低い生産性が指摘されています。そのような現状を考慮すると、残念ながら、管理職の役割を適正に果たしている管理職は非常に少ないのではないか?と想像できます。

ちなみに、私はこれまでに自分の会社で「管理職としての役割を全うしている素晴らしい管理職」に出会ったことは一度もありません。大概が管理職の役割すら理解していない人間達でした。私が所属する会社は体質的に古い方だとは思います。ですので、ある意味「反面教師」に事欠きません(笑)

もちろん、先進的な企業では、キチンとマネジメントしている管理職の方々はいらっしゃるでしょう。将来的にはそのような管理職が一般的になる事を期待して、以下では私が考える「管理職の役割と責任」についてまとめたいと思います。

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管理職の役割と責任

管理職の役割その1:業務の管理

管理職は自分の所属部課が担当する業務すべてを、期日までに完成させるのが最重要の役割です。しかも会社として適正な品質も確保してなくてはなりません。

その目的のために、適正に人員を配置し、予算や資材を準備するなど、総合的にマネジメントする必要があります。そして最終的には「適正な利益」を得なければなりません。

そのためには業務内容を正確に把握し、その完成までの道のりをシミュレートし、仕事を部下に割り振っていきます。途中段階では業務が予定通り適正に行われているかをチェックし、必要に応じて軌道修正したりします。

管理職の役割その2:人材管理

業務を遂行するにあたり、その原動力となるのは部課に所属する従業員、つまり「管理職の部下」になります。

部下が気持ちよくパフォーマンスを発揮できるように、あらゆる観点で環境を整える必要がありますし、部下の健康状態やモチベーションにも気を配る必要があります。

また業務量に対してマンパワーが足りないと判断されれば、増員についても検討します。課長レベルであれば、アルバイトを雇う権限くらいはあるでしょう。社員の増員が必要な場合は直属の上司(課長であれば、部長)や人事部に掛け合う事もしなければなりません。

さらに忘れてはならないのが、「人材教育」です。部下を次のステップへレベルアップさせるために、常に様々な方策を検討・実行しなければなりません。

管理職の役割その3:時間管理(タイムマネジメント

「その1:業務管理」や「その2:人材管理」の中にも含まれるかも知れませんが、あえて独立させました。私は「業務を完成させる」と言う目的のためには、時間管理が最重要ではないかと思います。また時間管理を適正に実行することで、人材管理にもつながると考えています。

ホワイトカラー的な業務内容であればあるほど、原価の中でも人件費が占める割合が高くなります。「残業代」を増やさないために時間管理をするのも重要ですが、業務にかかる時間を圧縮できれば、年間に完成させられる業務の絶対量が増えます。それはそのまま、社員や所属部課のコストパフォーマンス上昇につながります。

単なる労働時間の管理のみならず、1つ1つのタスク(作業)がどの程度の時間がかかるのか?までを把握するのが重要です。

管理職の役割その4:業務効率化

その1からその3までの役割を全うすれば、おのずと「業務効率化」の具体的な方向性が見えてくるはずです。

部下を育成してスキルアップさせるのはもちろんですが、使用する道具(ソフトウェア等も含む)の改善、業務実行の流れの中の停滞要因の排除など、広い視野と総合的なマネジメント能力が必要になります。

また部下の「集中力の管理」もこの中に含まれるでしょう。

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名バカリ管理職とは?

あえてカタカナ表記にしました(笑)

上記の「管理職の役割」を全うしていない管理職は、ある意味本当の意味での「名ばかり管理職」だと思いませんか?ただ既に「名ばかり管理職」の意味は広く通じていますので、別の名称が必要です。色々と考えてみたのですが、気の利いた名称が思いつかなかったので、ここでは取りあえず「名バカリ管理職」としておきます。

では具体的に、どのような名バカリ管理職がいるのか?私の知っている範囲で事例を紹介します。

名バカリ管理職事例その1:業務の管理の甘い管理職

さすがに「全く業務を把握していない」までの人はいませんが、実態としては「部下に丸投げ」の人が圧倒的多数です。

自分も担当案件を抱え、基本的に自分の担当案件だけに全力投球しています。その他の案件は部下に丸投げ。相談されたりすれば応じますが、それ以上の関わりは無いです。

自分で案件を抱え、それしか見えていない時点で、一般社員と同じですよね。プレイングマネージャーどころか、プレイヤーです。

まさに、名バカリ管理職。

名バカリ管理職事例その2:人材管理意識のない管理職

業務量が多くなることを見越して一時的にでもアルバイトを増員するとか、戦略的な人材管理を徹底している管理職には出会ったことがありません。業務量が多く、アルバイトでもできそうな難易度の低い仕事をベテラン社員が実行し、それによって深夜まで残業することになったとしても、放置状態です。私には全く理解できません。

それと部下の教育にも無頓着です。「資格を取れ」とか「研修を受けろ」と言う話はするものの、部下を計画的に育成する目的で仕事を割り振ると言った風な采配を振るう人間には出会えませんでした。

私は部下を育成する際、資格を取らせたり研修を受けさせるより、「仕事を経験させる」のが一番だと思っています。しかしそのためには、部下の実力を把握し、無理のない負荷(仕事の難易度)がどの程度か、慎重な判断が必要です。普段、仕事を部下に丸投げで自分の案件しか頭に無いような管理職には、まず出来ない芸当でしょう。

まさに、名バカリ管理職。

名バカリ管理職事例その3:時間管理意識のない管理職

このタイプが圧倒的多数ではないでしょうか?

残業当たり前、残業多い=頑張っていると言った考えの人間が、時間管理意識なんて持っている訳ないですよね。

私の身近な上司の「時間管理意識の皆無っぷり」は目に余るものがあります。

会社の収益や部下の健康管理と言った多方面に影響する最も重要なものなのに、その意識が低いのは致命的です。

まさに、名バカリ管理職。

名バカリ管理職事例その4:業務効率化意識のない管理職

時間管理意識が無いのですから、業務効率化なんて発想すらありません。

私はこれまでにも、社内で業務効率化の必要性について叫んでいましたが、「あまり業務効率化を追い求めるとダメになる」という反論が多くてビックリしたことがあります。こういう人達は、まず「効率化」の意味が分かっていません。単なる「手抜き」と思っているんです。笑っちゃいます。効率化とは、品質を維持したままコストを低減する事なのですが。

それと「ギスギスする」と言う意見を聞いたこともあります。もちろん、あまりにもギスギスするようであれば問題ですが、職場は友達同士の憩いの場ではありません。大人としての責任を果たすためにも、多少ギスギスしてでも職場で適正な生産活動を行うのが社会人としての務めです。

例えば、仕事をチャッチャと終わらせて早く帰る社員を「協調性がない」と評価しない管理職なんかは、効率性よりも慣れあいを重視しており、とても管理職などとは言えない人間です。まさに、名バカリ管理職ですよね。

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管理職としての仕事をしよう!

私もこの春から管理職になり、まさに上記の役割を全うできるように、模索の日々が続いています。残念ながら先輩管理職に良いお手本がいませんし、会社のシステムとしても根付いていません。しかも先輩管理職が管理職にあらずな行動をしているので、それがナチュラルに妨害行為となっており、かなりの茨の道です・・・。

私は、管理職は部下の人生を左右するような、責任重大なポジションだと思っています。部下を定時に帰し、休日はキチンと休めるように計らう責任があります。また部下の将来を見据えて育成し、他部署に異動したり、転職したりしても、そこで活躍できるために1人前に育てる義務があると思っています。

なるべく今年中には「これが真の管理職だ!」と言う姿を見せられるよう、頑張りたいと思っています。

ただ、ストレスは溜まりますが(笑)

 

それと「名バカリ管理職」の斬新なネーミングを募集します!ご意見頂けるとありがたいです。

 

 もし、なるほど!と思って頂けたら、読者ボタンを押して貰えると嬉しいです(^^)