SHIINBLOG

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民間給与の平均額増のニュースは単純に喜べるものではない ~序章~

9月28日に国税庁から民間企業に勤める会社員やパート従業員の平均給与が発表された。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

国税庁民間給与実態統計調査の結果によれば、2015年の1年間に受け取った給与の平均は420万4000円である。これは前年比で5万4000円増であり、3年連続で増加したとのことである。

ただし1997年のピーク時よりは46万9000円少なく、90年と同水準だそうだ。近年では有効求人倍率が上昇していることで、新卒者の正規雇用が増えたことが要因の1つではないかと考えられる。正規従業員の484万9000円(7万2000円増)に対し、パート、派遣社員などの非正規は170万5000円(8000円増)と差が大きいことを考えても、正規従業員の人口増によって平均額は上昇しやすいと考えられる。

まだ性別で見ると、男性は520万5000円(6万1000円増)、女性は276万円(3万8000円増)であり、まだまだ男女の格差は大きい。これも女性に非正規従業員の比率が大きいことが要因だと考えられる。

 

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つまり、平均給与のみでは労働者の実態を適正に把握できない可能性が高い。

年齢別給与を見ても人口の多い年齢層の給与が高いことから、単純に平均給与が上昇したからと言って、日本人の給与が高くなったとは言えないだろう。

 

今後は様々な角度でデータを検証し、このブログで紹介していければと思う。