SHIINBLOG

仕事とか科学とか

労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

「仕事が進まない」がストレスを生む! ~管理職のマネジメントが社員を守る~

こんなショッキングなタイトルの記事を読みました。

hbol.jp

過労死ラインと健康被害

厚生労働省で定めた「過労死認定基準」「一か月平均80時間以上」であり、80時間/月を超える残業については残業代の割増が義務付けられています(※企業の規模によっては適用外)。ある意味、企業側としては命を金で買うようなものですが、現行の日本ではこれが適用され、私が所属している会社でも実際に運用されています。

しかし上の記事では「月平均80時間以上」はあくまで「過労死するかどうか?のライン」であり、実際には、その前段階で健康は蝕まれているはずだと論じています。確かに、その通りだと思います。

そして、今年(2016)の6月にロンドン大学から発表された論文によれば

・週の労働時間が40時間までなら健康への影響はなし
・週の労働時間が41~48時間になると、脳卒中のリスクが10%高まる
・さらに週の労働時間が55時間を超すと、脳卒中リスクが33%、心疾患リスクが13%高まる

とのことです。

安全で何事もなく過ごせる仕事量は1日8時間労働で週5日。現在の「定時と週休二日制は理想的な労働時間と言うことになりますね。

また糖尿病のリスクに関しては

・週の労働時間が33~40時間までなら健康への影響はなし
・週の労働時間が55時間を超すと糖尿病リスクが30%高まる

やはり「定時8時間と週休二日」は守ることが好ましいとい言えます。

確かに私も長時間勤務が続くと食生活が乱れますし、心身に疲労が蓄積され「健康に良くない」と実感しています。

 

仕事の先延ばしストレスとは?

この「仕事の先延ばしストレス」、最初にこの記事のタイトルを見て私が連想したのは「仕事を先延ばしすると返ってストレスが溜まるので、残業して終わらせなさい」と言うブラックな内容なのか?というものでした。

しかし実際には仕事が沢山あるよりも仕事が進んでいないの方が大きなストレスとなるので、少しでも仕事を進めよう 」と言うことでした。

ただ良く考えてみると、仕事が多すぎて先が見えないと「進んでいない」と言う感覚に陥るので、やはり「仕事が多い」のも間接的にストレス増加の原因になると考えられます。

先延ばしストレスのメカニズムは以下のように紹介されています。

1.仕事をダラダラと先延ばしすると、あせった脳が「なにも進んでいないじゃないか!なんとかしろ!」とパニックを起こす
2,脳の司令を受けた内分泌系が、ストレスホルモンを大量に吐き出す
3.ストレスホルモンのせいで心拍数があがり、さらに気持ちがあせり始める。やたらと心臓がドキドキするので、人によっては不安やうつ症状が出てしまうことも
4,ストレスホルモンの暴走により免疫システムも狂いはじめ、心臓や肝臓を傷めつけ始める

原文まま

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管理職のマネジメントが必要だ

以上から考察すると、やはり「仕事の完成形を具体的にイメージして全体像を把握する」ことが非常に重要だと言うことが分かります。

数か月にわたって続くような仕事は特に、全体像に基づいて中身を細切れにし、「進捗状況を可視化する」のが非常に有効なのだと思います。先日紹介した、私が実践している仕事の進め方は、まさに「ストレスを感じにくくする仕事の進め方」だったのですね。

私がこれまで実際にブラック労働を経験しての感覚で言うと、「月80時間以上の残業」が身体に与える影響は甚大です。 そして、そこまでの残業時間に至る仕事量は相当なものです。私自身、これまでに「月80時間以上」の残業時間になったことは数回しかありません。

私が所属する会社では、月80時間以上の残業時間に達する人は沢山いますが、彼らに比べて私の仕事量が少ないと言うことは決してありません。

やはり、

・完成形をイメージしてゴールに向かって着実に1歩1歩進む

のと

・仕事が多い中、ただ闇雲に突き進む

のでは、かかるストレスは前者の方が圧倒的に少なく、結果として少ない時間でより多くの仕事をこなせることになるのではないかと思います。

 

まとめ

やはり仕事は「1日8時間、週休二日」が適正で、それ以上の労働は健康リスクが高まると言うことが分かりました。また健康を損なう主要因であるストレスは、「仕事が進まない」と言う心理が強く影響しているとのことです。

その様な「先延ばしストレス」を発生させないように、「仕事の完成形をイメージし、全体像を細切れにして進捗を可視化する」が非常に有効だと考えます。これによってストレスが軽減されることで、仕事の効率化も期待できます。

現代日本社会で問題なのは、その様なテクニックが軽視されがちで、なおかつその責任が「社員1人1人に押し付けられている」ことです。本来は「管理職の責任」なのです。仕事の道筋を明確にして部下を導くことをせずして、何が管理職なのか?と、改めて日本社会における管理職教育の重要性」を感じずにはいられません。

現代日本社会において、労働生産性を向上させるうえでも管理職のレベルアップは必須だと断言できます。

 

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