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労働問題や面白い科学の話題について書き綴ります

【残業問題】定時で帰ることを問題視する日本社会は根底から変えなければならない【後編】

前編からの続きです。

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geogeokun.hatenablog.com

 

 

ブラック労働を普通に受け入れている愚考

「呆れて物も言えないとは、まさにこのことなんだな」と言うのが今の心境です。

 

ア ルバイト感覚でいること以外にも、新人は「所属意識」に縛られすぎる環境を恐れている傾向があります。例えば、「ノー 残業デー」という取り組み をしている会社にもかかわらず、帰らない上司。形式上だけタイムカードなどを定時に打ち、日々深夜まで仕事をしている。強制的に一定の時間になると、社内 ネットワークが切られるという状況でもパソコンを持ち帰り、家で作業する上司。そういった上司の姿は自分の将来の姿として映り、明るい未来を感じられない のです。

原文まま

 

要はこの人は「実態を見ずに改善を怠り、表面的で実効性のない施策(ノー残業デーや強制ネットワーク切断)」を受け入れた上で、それを見て「意欲が高まらない若者」をいかにして「こっち側に付けるか」と言う思考オンリーなのですね。ここまで来ると異常です。本来は「ノー残業デー」でも「強制ネットワーク切断」でも仕事をせざるを得ないと言う超異常事態を正すのが先であり、そこに若者も引き入れようと言うのは、もはやカルト教団の域に達しています。

 

もちろん繁忙期はどの業界にも存在しますが、常にそういう状況であることを目の当たりにして意欲が高まる若者ばかりではないのです。インターネットでは、 特に「社畜」という言葉は忌み嫌われる言葉として語られ、投稿サイトや口コミサイトでも多用され、実際に大学でも就職支援でもマイナスのイメージ で語られています。

原文まま

 

繁忙期に「いかに負担がかからないように知恵を絞るか」のが管理職の役割であり、それがマネジメントです。そして社畜はマイナス以外の何物でもないですよ(笑)

社員がもしも、ただ社長(経営者)の言うがままに働くだけの家畜のような存在だとすれば、その会社は社長(経営者)の器の範囲内でしか成長できません。所詮その程度の会社と言うことです。しかし本当に有能な経営者であれば、有能な社員の提案を聞き入れて軌道修正するので、その様な会社に社畜は生まれません。

社畜は明らかにマイナスイメージであり、その様な社畜を産まないような企業経営を提言するのが、コンサルタントの務めだと思うのですがね。

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社風は非常識の温床であることが多いと言う事実を知ろう

私は常々、ある会社の中で通用する常識は、社会の一般通念から外れている場合が多く、「カルト化しやすい」と感じています。つまり長く1つの会社にいる事で「社風」がいつしか自分の常識となり、それが世間一般から逸脱していくのです。

その様な「社風の異常性」に最も気付きやすいのが、新入社員だ という論説を読んだことがありますし、私もその通りだと思います。もしもあなたが、新入社員で入社した時に「あれ?この会社のこれっておかしくない?」と 思ったら、ほぼ100%正解だと思った方が良さそうです。長く会社にいる社員ほど、洗脳されて「社風が常識」と思っていますから。

 

  実際、第二新卒の支援の場では多くの若者が、社風に馴染めなくて前社を辞めたという話をしています。しかし、どの程度、彼らが馴染もうと努力したかは不明瞭な部分もあります。彼らにしてみれば、「次の会社も馴染めなかった」のではいずれ応募先は限られてきます。新卒・第二新卒の頃はそれでよくて も、年齢はあっという間に重ねてしまうもの。いつまでも会社がアウェイという考え方は、実は正社員から最も遠のく考え方なのです。

原文まま

 

馴染む必要は全くありません。会社は仕事をする場所であり、自分の給料分の仕事をすれば、それで良いのです。社員に求められるのは、その仕事を問題なく進められるだけの最低限のスキルと、一般常識です。会社だって社会の一部であり、「一般常識」で運営されて然るべきです。世間一般に馴染まない社風であれば、 馴染む必要はありません。新入社員は謂わば「一般社会」の代表です。その新入社員が馴染めない社風ならば、社風の方に問題があると考えた方が良いと思いま す。

また企業とは「営利団体」であり、本来は「仕事をして利益をあげ、かつ社会貢献する」と言う目的で存在しています。社会には多様な考えの人間がいて、多様な人間が協力し合い、1つの目的を達成させる必要があるのです。ですので「馴染めなくて辞める社員がいる」というような「社風」に問題があります多様な人間が共存できるような社風に改める必要があるのです。

 

 逆に多くの時間を残業に費やしている中堅以上の社員は、所属意識だけでなく「居場所」を会社に求めている場合があります。ただ単に家に帰りたくない場合や、家庭の中で居場 所がない場合。少し早く仕事が終わっても、まっすぐに帰らずに周りを食事や飲み会に誘う上司。これらは定時に帰るトンデモ新入社 員とは、正反対だと言えます。

原文まま

 

早くに仕事が終わっても「ただ単に家に帰りたくない」「家庭の中で居場所がない」と言う理由で、周りを食事や飲み会に誘う上司の方が、私にとっては「トンデモ」なんですがね。定時に帰る新入社員の方がよっぽど健全です。

物事を考える時の順序が逆じゃないですかね?

つまり「トンデモ上司」は、これまで会社で働き続けた中で先輩に影響されて「社風が常識」と思い込まされたことにより、一般常識を持つ家庭と意見が合わなくなり、だから「家庭の中で居場所がなくなった」のではないんですかね?まるで伝染病のようです。

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会社に対して「ホーム」か「アウェイ」かは関係ない

つまり会社がホームとなっており、家や家庭がアウェイという状況なのです。実際に10年程前に私自身が会社勤めをしていた際、タイムカードは退社時間でしっかりと打刻していたものの、毎日のように深夜まで雑談をしていたり、部署の誰かを飲みに誘う上司もいました。

原文まま

 

ここまで来ると、もうどうしようもないですね。仕事をする場である会社に対して、「ホーム」だの「アウェイ」などと考える時点で、まるで子供です。

会社で「深夜まで雑談する」だなんて、そんな非生産的行為、私には耐えられません。私がその上司の部下なら 「あ、スミマセン。自分仕事終わったんで、お先に失礼します。」とサッサと帰ります。自分の愚痴を誰かに聞いて欲しいなら、教会に行って牧師さんに懺悔すりゃ良いのですよ。

 

居心地が良い場所には長時間いることが可能です。しかしそれが惰性で「ただ、いる」というのでは誰も得をしません。

原文まま

 

会社は仕事をする場所です。限られた時間で最大限の利益を生む場所です。だから長時間いて良い場所ではないのです。「会社に長時間いることが良い事」は前提条件として間違っているんですよ。

そして極めつけは、ここに来てまさかの、これです。

 

「自分が帰らないと周りが帰りにくいから」と、効率的に仕事を終わらせる工夫をしていると語ってくれました。

原文まま

 

これ、正しいです。でもこれまでの論説とは方向性が真逆です。結局、この著者は何が言いたいの?って感じてしまいます。

 

まとめ

まとめとして、この記事の結論を見てみましょう。

 

では、どのように意識づけをすれば、新入社員の帰属意識は高まっていくのでしょうか。どこか1ヵ所だけが「居場所」なのではなく、会社「も」居場所と思えるような仕事を与えていくことが必要です。そうした家庭のなかで、残業が必要になる場合は、残業を良い悪いではなく、何のために残業が必要なのかを新入社員に考えさせる。そうしたコミュニケーションを丁寧にとっていくことがまずは重要ではないでしょうか。

原文まま

 

結局、この筆者が最後のまとめに何が言いたいか、私には良く分かりませんでした。

帰属意識を持たせることが大切→丁寧にコミュニケーションをとろう」

と言うことでしょうか?

これに対して私の意見をもう1度整理してみます。

 

「残業ありき」の議論がまずおかしい。残業は社員個人にとっても、企業にとっても良いものではありません。可能な限り残業を発生させないように工夫を尽くすことで、労働生産性の向上につながります。

新入社員が「今日やるべき仕事」を終えたのであれば、定時に帰るのは正しい行動です。逆に組織として「今日中に終わらせる仕事が終わらない」事態になっているのであれば、管理職が定時前に状況を整理し、「残業命令を下す」のが正解です。

③ 上記により、社員に「帰属意識」を持たせるかどうかと言う議論は全くの無意味です。帰属意識を持たせて会社を「居心地よく」することで、緊張感が緩み、 かえって生産性は悪くなるだけです。家庭に居場所をなくし、会社に居心地を求める上司を量産するだけであり、その様な上司は「雑談」によって部下の仕事を 妨害するだけでなく、「帰属意識を高めるため」と言う無用な目的のために飲み会を実施し、「会社の経費で落とす」ことで会社の利益を無駄に食い潰します (※私の上司が実際にやっている愚行です)。

④残業そのものは「悪」以外の何物でもありません。ですから、まずは「発生させない」工夫が必要になります。大切なのは常に「残業を回避しようと努力する」姿勢であり、それでもどうしようもない場合は説明して指示をするのが当然です。そこに「帰属意識を持たせる」必要は全くありません。

 

終わりに・・・

私は、仕事は自分の給料分の責任を果たさなければならないものであり、プロとして誇りを持って進めるのもだと思っています。その様な緊張感で仕事をする職場 について、「居心地が良い」とは到底思えません。

サッサと責任を果たして家に帰り、リラックスしたいと考えています。だからこそ集中力が生まれ、仕事の効率は上がります。いつまでもダラダラと会社に長居する社員は緊張感がなく、集中していないのだと思います。

今の私の所属部署は、まさにそのような状況です。上司が「俺について来ればタダで酒が飲めるぞ」と部下を自分色に染めて「帰属意識」を持たせ、結果として生産性の悪い組織になりました。仕事が少なくて赤字なのに、みんな定時に帰らない職場です。

本当に仕事が多すぎて帰れない人は、確かにいます。数年前の私もそうでした。その様な時こそ、管理職は部下に対して公明正大で的確な指示を与えねばなりません。ですが、それができる管理職が非常に少ない事を、今回紹介したこの記事が示しています。

定時に帰る新入社員を「トンデモ」と責めるのではなく、「適正な采配をふるえない」会社や管理職の方に改善の必要があり、その様な視点に立てないこの著者こそ「トンデモ」だと指摘して、この話を終わらせたいと思います。

 

 

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